なぜNPBで成功できたのか? DeNA助っ人が米メディアに証言した“日本人打者の癖”「理解するのは少し難しかった」
2年間で確かな実績を積んだケイ(C)産経新聞社
馴染むために手本となった日本人投手とは?
異国での経験は、MLBで挫折を味わっていた左腕にとって大きな転機となった。
「日本に来て、本当にカルチャーショックを受けた」
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米メディア『Fan Sided』のインタビューで、そう語るのは2024年シーズンから約2年間、DeNAに在籍したアンソニー・ケイだ。
MLBではブルージェイズ、カブス、メッツと名門を渡り歩くも居場所を見出せず、苦心が続いていたケイ。先発として再起を図るべく辿り着いたNPBでは実績を十分に積み上げた。通算2年間で48試合に登板として15勝(15敗)ながら、防御率2.53、WHIP1.15。とりわけ入団2年目となった25年は9勝6敗、防御率1.74、WHIP0.98とハイスタッツを記録。先発ローテの柱となった。
もっとも、異文化での挑戦は容易なことばかりではなかった。「自分は何を変えられるだろうか?」ともがいたというケイは、「球速が速くなかったので、日本の投手たちが使っている球種を理解するのは少し難しかった」と語る。
そうした中で見出したのが、2シームの徹底追及だった。「スイングがフラット」という日本人打者の“癖”を見抜いたケイは、母国で軸としてきた4シームから2シームの投球割合を増やし、「攻め方が本当に変わった。2シームは僕の投球をすべて変えてくれた」と証言する。
無論、体得には日本人の研究、そして助言が必要不可欠だった。「打者のバランスを崩す。そしてタイミングを操って、相手がファウルで逃げられないようにしたかった」というケイは、NPBに馴染む上で手本となった投手の名前を挙げている。
「僕らのエースだった、サウスポーのカツキ・アズマだ。彼は多彩な球種を操り、どこにでもピンポイントで投げ込める。僕は彼を見ていて思ったんだ。『俺の球はもっと速くて、変化も大きいのに、なんであいつは俺より良いピッチングをしているんだ』と。とにかく一体何が違うんだろうと考えて、彼の投球を観察した。コーナーを徹底的に攻め、全ての球に変化をつける。それが最初の頃はうまくできなかった」






