「サッカーってこんなに深いんや」堂安律が迎える“進化の時” 監督交代でスタメン確約もなくなった日々で得る充実感【現地発】
堂安もリエラの持つ豊富なサッカー観に唸っている(C)Getty Images
「監督のアイデアはインタビューで語りきれないほどある」
では、堂安自身は現状をどう捉えているのか。「監督のアイデアはインタビューで語りきれないほどある」と唸るほど、豊富なものがある点は素晴らしい。リエラの戦術的な奥行きに刺激を受けている様子だ。
「僕自身スペイン人の監督が初めてなんで、『すごいな』と思いながら。ミーティングとかもすごい興味のある話ばっかしで。サッカーってこんなに深いんやっていうのを、この年齢になって改めて感じさせられるという感じはあります」
27歳の堂安にとっても、新たな学びの場となっているのは間違いない。ただ、監督のアイデアにひたすら選手が合わせることが必ずしも正解ではない。考えすぎてプレースピードや精度が落ちてしまうのはサッカーの常。逆に選手の良さを引き出すことでチームの躍動感が一気にアップする、というのもよく聞く話。そのバランスがフランクフルトでは、まだ手探り状態といったところなのだろう。
ただ、堂安はスペイン人監督によってもたらされた“新しいチャレンジ”をポジティブに捉えている。
「フランクフルトという新しいチームに移籍して、声をかけてくれた監督が変わった。そういう意味では全てが変わるっていうのは理解してます」
現地時間3月22日に行われた第27節のマインツ戦後に堂安はそう語った。今彼は監督との対話を重ね、自分の思いを伝え、意図と評価を聞き、そこでやれることをやろうと、頭を整理して取り組くもうとしている。
それこそ、スタメンから外れた第25節のザンクトパウリ戦では、試合前にアップをしている堂安からネガティブな雰囲気が感じられなかった。出場機会を待ちながらタスクワークをこなし、自身の良さを出す。微調整を加えながら、流れをつかみ取ろうとしていた。
だからこそ、第26節ハイデンハイム戦、そして先述のマインツ戦では連続してスタメン起用をされ、プレーにも明らかな変化が見られた。ボールに関与する機会が増え、ひとつの選択にも迷いがなく。ピッチ上での立ち位置や役割に対する理解が深まりつつあることが伝わってきた。
日々練習を重ね、試合を経験するごとに、新しいことにチャレンジしている楽しさみたいなものは感じているのだろうか?
それを聞くと、堂安はすぐに頷き、こう答えた。
「それは、はい。自分の中で少しずつ見出しながら(感じています)」
豊富な戦術を理解し、自分のプレーを再構築しながら、最適解を見つけ出していく。その過程の先で、彼の価値は今以上に引き上げられ、クラブにとって欠かせない絶対的な主軸選手としての活躍が待っていることを期待したい。
[取材・文: 中野吉之伴 Text by Kichinosuke Nakano]
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