「モテたいから」始めたMMAで秒殺デビュー 大みそかを彩った“桜庭長男”大世に漂う風格「大人になって初めて人を殴れた」【RIZIN】

矢地を瞬殺してみせた大世。そのパフォーマンスは多くの格闘技ファンを惹きつけた。(C)RIZIN FF
日本格闘技界で一世を風靡した名手・桜庭和志のDNAを受け継ぐ若武者が、大みそかのリングで鮮烈なデビューを果たした。さいたまスーパーアリーナで行われた総合格闘技イベント「RIZIN.49」で、矢地祐介(フリー)を相手に総合格闘技戦デビューした“サクジュニア”こと桜庭大世(サクラバファミリア)だ。
【動画】狙いすました一撃からのパウンド地獄 桜庭Jr.の秒殺KOシーン
「彼の日だった」――。敗れた矢地がそう認めたように、RIZINにとって節目となる10度目の大みそかの興行で、26歳のサラブレットが期待に応える瞬殺劇を見せた。
文字通り一瞬で勝負は決した。開始早々、立ち技の攻防となる中で、大世は左の蹴り足を掴まれたが、その刹那に左のパンチで矢地のアゴを打ち抜く。これでフッと崩れ落ちた矢地に追撃のパウンドを振り下ろしたところでレフェリーがストップ。わずか26秒で大世のTKO勝ちが告げられた。
正直に言えば、26秒決着は想定外。すべて推し量るのは容易ではない。それでも蹴り足を食い止められた直後に二の矢を繰り出し、仕留めきったスキルは称賛に値する。かつて大みそかの象徴となった『PRIDE』時代に日本格闘技界を支えた父・和志は対応力の高さもあって「IQレスラー」と評されたが、そのスタイルが受け継がれているように見えた。