なぜ“怪物”はどん底から復活したのか 佐々木朗希を変えた敏腕スタッフとの密談「アメリカ人がどう見ているかを懸念していた」

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ロバーツが驚いた佐々木の「殺気」

 同局によれば、佐々木の改善方法はドジャースが伝統的に用いてきた手法とは一線を画していた。通常、同球団は投手たちに修正案を試させる前に、段階的なプロセスを取り組ませるのだが、チームドクターであるニール・エラトラッシュ医師の治療を受けて万全の状態にあったために、佐々木は即座に投球練習での施行を求めたという。

 ヒル氏に抜群の信頼を寄せた佐々木は「一日も早く試したくてたまらなかった」と新たな投球フォームを試行。初ミーティングから2日後の9月6日にブルペンで投球練習を実施。いきなり球速は95〜97マイル(約153〜156キロ)にまで上がった。これはヒル氏をはじめとする首脳陣を驚かせる成果だった。

 球団のバイオメカニクス専門家たちの指導を受け、変貌を遂げた佐々木。懸念を抱かなくなった彼の起用を躊躇させるものは何もなかった。中継ぎへの配置転換を決めたデーブ・ロバーツ監督も、再び闘志を漲らせる23歳の若武者を目の当たりにし、「彼には行ったんだよ。今の君は『今は違った表情をしている。殺気を帯びた表情をしている』とね」と褒めちぎる。

 今や守護神として定着し、声価を高めている佐々木。投げるたびに自信を増している現状は、懇切丁寧に接したスタッフたちの支えなしにはありえない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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