元巨人・相川亮二、引退から一年 コーチ打診を断り、メンタルトレーナー資格取得、ジム経営などにチャレンジ
2017年に23年の現役生活に幕を閉じた相川亮二捕手。2度のFA移籍で横浜、ヤクルト、巨人の3球団を渡り歩き、日本代表にも選出された実力はさることながら、選手会長やキャプテンを任されるなど、人望の厚さもあってチームやファン、首脳陣に愛された選手だ。引退時にはコーチ職の打診もあったが、「まだ勉強不足」として辞退していた。それから1年、飲食やパーソナルトレーニングジムの運営のほか、メンタルトレーナーとして野球界に新しい道を開こうとしている相川さんが思いを語った。
「メンタルトレーニング=精神的に弱い」じゃない
——メンタルトレーナーの勉強を始めた理由は?
相川:現役を引退した後に、興味のある事の一つだったので。「リコレクト」という横峯さくらさんの旦那さんがやっている、メンタルアドバイザーの資格を取りにいきました。スポーツ選手や、スポーツをしている学生に、もっといい言葉を掛けてあげられるんじゃないかなと思って、勉強したいなと。なんせ、メンタルの重要性は自分が一番わかっているので。ただ技術だけではなく、言葉や思考、スポーツをやる上でどういうメンタリティでいればいいのかということを伝えてあげれば、選手はもっと伸びるのかなと思っています。実際に、メンタルコーチと二人三脚でやり始めて、すごく活躍し出した選手もいます。そういうのを目の当たりにして、自分もそういった指導法をできたらいいなと思うようになりました。
——現役生活23年間で、指導の仕方とかが変わってきたなとか、変えるべきだなという実感はありましたか?
相川:それはすごく自分も感じましたね。ただ、選手それぞれの性格があるので、その人に合った指導が大事だと思います。技術を教えるという事に関しては、プロのコーチであればある程度できると思う。でも、実力はすごいのにメンタル面で大成しなかった選手を数多く見てきて、僕もそういう選手に色々と言葉で言ってきたけど、響かなかったです。やはり勉強する必要があるなと思いました。多分アプローチの仕方が違うので、それをどうやって解いていくのかということに、自分はすごく興味があって。
——メンタルトレーナーの勉強のなかで、具体的にどのような内容が印象的でしたか?
相川:なるほどな、と思う事はいっぱいありましたよ。それを端折って言うのは難しいですが、一番簡単なのは「選手が何を向いてプレーしているか、どこに選手の意識が向いているか」ということを把握すること。目先の結果を目指しているのか、長期的なプランがあるのかなど、そういう問題がわからないとアプローチできないので。話して行くなかで本質を見つけていき、それを解放してあげるようにしないといけない。けれど、それが一番難しい。一回きりでどうにかなるものではなく、長期的にディスカッションして、本当に信頼してさらけ出してもらえるようにならないと話は進まない。