プロの壁にぶつかった度会隆輝の今 “黄金ルーキー”が酷暑の二軍で重ねた努力の日々「結果を残すことがどれほど大事か」【DeNA】
巨人戦後にお立ち台に立った背番号4の目には光るものがあった(C)萩原孝弘
三浦大輔監督が「褒めないですよ」と漏らした理由
クライマックスシリーズ出場が絡む2位争いの真っ只中で頼もしく映る度会の活躍には、首脳陣も高い評価を下す。
靏岡賢二郎オフェンスチーフコーチは「コンタクト率が高いので、浅いカウントで当たって弱い打球でアウトになるのがめちゃくちゃもったいない」との観点から「まずはしっかりと自分の形で振る。それからゾーン内を待てば、ケアするゾーンが狭まるので捉えられた当たりが多くなる」と好サイクルになると指摘。その進化を認めている。
「本人の打席の感覚を積み上げてきたものもあると思いますし、去年と比べて選球眼も格段とよくなってますしね。感触としていいのではないでしょうか」
また、村田修一野手コーチも「上がってきてからすごくいい感じで打っていますよね」と高評価。一方で「練習で気持ちよく打って、『さぁ試合に行きますではダメなんじゃない?』って話を最近はしているんです」と釘をさす。
「ちょっと制限かけて練習しないと。練習ではボコボコとホームラン出るので、『ポール際のホームランは要らないよ』って言ってます。試合では気持ちよく打てるところに気持ちいいボールは投げてくれませんからね」
現役時代にDeNAの4番も打ち、厳しい勝負を熟知する村田コーチは、「窮屈になりながらでも、センター方向に詰まってでもヒットを打たないと率は上がらない。盗塁ができるわけでもない、守備がいいわけでもないということになると、外野手としてレギュラーを取っていくためには、彼にとってアベレージが一番必要になってきます」と手厳しい言葉も列挙。ただ、「でも気付いているみたいですね。昨日(14日)の逆方向に変化球をホームランにできることを考えれば」と本人のチェンジマインドも感じ取り、やはり成長を実感している。
さらに三浦大輔監督も「なんとか打席で喰らいついてやろうとしてますね。本人はいま、必死にやっているだけだと思いますよ。今までは何でもかんでも振っていっていたところを我慢してね。しっかりと絞っていけています」と姿勢の良化を感じつつも、「あまり褒めないですよ」と表情を崩さない。そこには「もっともっとやってもらわないと困る選手ですからね」と“ゴールデンルーキー”として迎え入れた度会のポテンシャルを認めているからこその厳しさがあった。
「今後も気合を入れてやっていきたい」と言葉に力を込めるハマの一番星・度会隆輝。勢いだけではない進化をした心技体で、レギュラーシーズンの終盤、そして昨季に力となれなかったポストシーズンを駆け抜ける。
[取材・文/萩原孝弘]
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