現場スカウトの憂鬱 故障持ち選手の上位指名に現場からはブーイングも事前調査には「限界」

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今年のドラフトでもドラマが生まれた。果たしてルーキーたちはどんな道を歩んでいくのか(C)産経新聞社

 プロ野球の世界では、10月下旬のドラフト会議が終わると、12球団のスカウトたちの仕事は一旦リセット。担当エリアに指名選手がいるスカウトは、当該選手の「お父さん」役として仮契約から入寮、新人合同自主トレとフォローして、キャンプインまでのお手伝いをすることになります。

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 春先の寒さの中での視察や、夏場の炎天下のもとでの見極めを思えば、ある意味、スカウトにとっては1年のうちで最も穏やかな時期と言えるかもしれません。

 しかし、12球団のスカウトの中には一抹の不安が消えないと話す人もいます。

「とにかく元気でいてほしい。それに尽きます。入団してから『故障持ち』だったことが分かると、やっぱりスカウトとしては肩身が狭いですよ。現場からの冷ややかな視線を感じてしまいますからね……」

 一例をあげます。2023年のドラフト会議では1位で指名された12人中、実に7人が名門・東都大学野球リーグ出身ということで話題を集めました。しかし、即戦力とみられた7人のうち、実に3名がトミー・ジョン手術を行うことになったのです。

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