現場スカウトの憂鬱 故障持ち選手の上位指名に現場からはブーイングも事前調査には「限界」
「現場は『調査不足』と言うかもしれません。でもスカウトは公式戦や練習試合に足を運び、しっかりと放れているのを確認した上で指名をしているわけです。指名される側も声高に『痛いところがあります!』とは言わないわけですよ。そんな中で、水面下でケガに苦しんでいることを知るのは至難の業です」(前述のスカウト)
精度の高い情報を、どうつかんでいくか。スカウトが名門校の卒業生であれば、先輩・後輩のツテをたどり、指導者から本音を聞き出すのも一つの手でしょう。さすがにビジネスを超えた関係を築いている人に、噓の情報は言わないもの。12球団スカウトの多くが、名門大学野球部のOBなのは、そのような情報戦に勝つためという背景もあります。
一方で、プロ初勝利やプロ初安打といったルーキーの節目で、本人から報告が届くことが、スカウト冥利に尽きる喜びだと、誰もが口を揃えます。
担当スカウトのいない新人選手はいません。彼らの奮闘を祈ると共に、その「お父さん」たちにも喜びの瞬間が訪れることを、願わずにはいられません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
【関連記事】阪神のドラフト戦略が独特すぎる ブランド志向より独立リーグの逸材は「吉か凶か」
【関連記事】ドラフトの最強勝ち組は「井上中日」!即戦力左腕のW補強で高まる「V字回復」への期待
【関連記事】西武のドラフトが示す「V字回復は5年後」見えた高卒逸材を育てる意識と長期的強化プラン