「中日のエリア51」が魅せた復活劇 7年ぶり規定打席の上林誠知が“走攻守”で輝いた再生の一年

タグ: , , , , 2025/10/23

上林は今季、17本塁打&27盗塁を記録した(C)産経新聞社

 背番号51がいなかったら、今季の中日はどうなっていただろうか。そう思わせるほど、上林誠知の存在価値は大きかった。

 加入2年目の今季は134試合に出場し、打率.270、17本塁打、OPS.737をマーク。盗塁はキャリアハイを大幅に更新する27個を記録した。強肩を活かした右翼守備でもチームに貢献しており、まさに走攻守で欠かせない戦力になった。

【動画】7季ぶりの規定打席到達も話題、上林の豪快アーチシーン

 ソフトバンクで一時は主力を張る時期もあったが、故障渦に見舞われ、2024年シーズンから中日でプレー。移籍初年度は46試合出場でわずか1本塁打と振るわず、真価を問われるのが今季だった。

 一つ大きな転機になったのは松中信彦打撃コーチの加入だろうか。井上一樹新監督が呼び寄せたかつてのチームメイトであり、同じ左打ちの大先輩である。松中コーチの猛指導とキャンプでの振り込みが身を結び、開幕から1軍に帯同することになった。

 それでも開幕直後はスタメンとベンチスタートが半々。本拠地開幕戦での「スイム」と呼ばれる神スライディングが話題になったぐらいだった。スタメン定着は4月下旬以降のことである。

 5月以降は主に「3番・右翼」に入り、チームの得点源に。印象的な本塁打を多く放っており、殊勲本塁打(先制・同点・勝ち越し)は13本を数える。

 例えば5月16日の巨人戦(東京ドーム)。6回に赤星優志から同点ソロを放つと、8回には大勢からバックスクリーン左に勝ち越し弾。その後チームは逆転負けを喰らうも、この二発はファンに強烈なインパクトを残した。

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