「まっすぐの軌道がいい」首位阪神にリーグ唯一の勝ち越し 近鉄OB・佐野慈紀氏が注目する井上中日の「投打のキーマン」とは
打線では助っ人のジェイソン・ボスラーに注目しているとしながら、「井上監督はものおじせずにはっきりものをいうタイプだと思っているので、それが選手に伝わっているのではないかなと」指揮官のハンドリングも効いていると分析した。
また、中日投手陣で佐野氏が一押しするのが大型ドラ1左腕の金丸夢斗だ。
中日のドラ1ルーキーは5月にプロ1軍デビューを果たすと、ついに前半戦ではプロ初勝利をあげることができなかった。
ただ前半戦8試合に先発登板の中、7試合でQS(6回以上、自責3点)をマーク。防御率2.41と試合を作っている。金丸の登板試合はなぜか打線の援護に恵まれないことも注目されている。
佐野氏も「いや、ものすごく良いピッチャーですよ! 僕はすごく好きです。早く勝ってほしいですね」と絶賛する。
投手として優れている点について佐野氏は「ゲーム支配率がものすごく高いです。もちろん試合なので打たれることはありますが、自分のペースでピッチングできている。これは新人には難しいことですよ」と分析。
また「いろいろいい球がある中で、僕が好きなのはまっすぐの軌道がいいところ。リリースからミットまでの軌道が理想的。打者は数字以上に球の速さを感じていると思います。なかなかできないですよ」とキレ味鋭い投球が打者にも驚異になっているとして、金丸の才能を高く評価。
セ・リーグを盛り上げるためにも中日の奮起は欠かせない。佐野氏は「秋口にかけて暴れまくってほしいなと期待しています」と締めくくった。
【さの・しげき】
1968年4月30日生まれ。愛媛県出身。1991年に近鉄バファローズ(当時)に入団。卓越したコントロールを武器に中継ぎ投手の筆頭格として活躍。中継ぎ投手としては初の1億円プレーヤーとなる。近年は糖尿病の影響により右腕を切断。著書「右腕を失った野球人」では様々な思いをつづっている。
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