「疲れって意外と残っている」WS3勝とフル回転の山本由伸 メジャー3年目の来季パフォーマンスに大事なポイントを近鉄OB、佐野慈紀氏が考察「マイペースでいい」
今季は大車輪の活躍でコンディションも心配される。その疲れは「簡単に言うと、終わったあとに力が抜けると(気持ちがオフになると)どっと疲れが出てくるんです」としながら、「それをいかに拭い去っていくのかを、大事にしていかないといけない。大丈夫だと思っても、疲れって意外と残っているんですよ」と自身の経験を踏まえ、その点は心配だという。
メジャー2年目の今季は12勝をマーク、ポストシーズンも強さを発揮と来季は絶対的エースとして、周囲の注目も集まる。ただ佐野氏は「キャンプやシーズン序盤で調子が上がらないと、いろいろ騒がしい声が上がると思うんですけど、慌てず騒がずでいい」とアドバイスする。
「結局、大事なのはシーズン終盤にどれだけ頑張れるかなんです。今季もスネル、グラスノーら、故障した投手が終盤に帰ってきてからチームも勝ちだしたじゃないですか」とドジャースも当初は先発陣が故障がちで心配されたが、ローテーションが機能し始めると勝ち星を積み重ねた点を指摘。
山本の来季、臨む姿勢に関しても「マイペースでいいと思います。周りは年間通しての活躍を望むとは思いますが、現状のドジャースは強いのでそんなに負けが込むことはないですから」とあせることなく、自身と向き合ってほしいとした。
「もちろん、来年もシーズン序盤から活躍して、圧倒的な活躍でサイ・ヤング賞を獲ってほしいという気持ちもありますが、自分のペースでやってほしい。それができる投手だと思います」とさらなる成長を見据えた。
世界一連覇を果たしたチームでは山本、大谷翔平、佐々木朗希がそれぞれ持ち味を発揮。日本人3選手の活躍で日本を元気づけてくれた。来年も期待したいところだ。
【さの・しげき】
1968年4月30日生まれ。愛媛県出身。1991年に近鉄バファローズ(当時)に入団。卓越したコントロールを武器に中継ぎ投手の筆頭格として活躍。中継ぎ投手としては初の1億円プレーヤーとなる。近年は糖尿病の影響により右腕を切断。著書「右腕を失った野球人」では様々な思いをつづっている。
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