浦和サポにどう響くか ミシャの”説教”と去りゆく小野伸二の重い言葉「“リスペクト”を忘れないでください」
そんな智将以上に印象深い言葉を発したのは、この日の“主役”であった小野だった。
自身の引退セレモニーの際に特設された壇上に上がった天才は、開口一番に「まずは浦和レッズサポーターのみなさん、今日はあたたかいブーイングをありがとうございました」と挨拶。そのうえで「ミシャ(ペトロヴィッチ監督の愛称)さんの挨拶のときにいろいろありましたが……こう見えてもミシャさん、浦和レッズのこと大好きです」と強調。そして、約6年間プレーし、苦楽を分かち合った古巣のサポーターたちへの「願い」を語った。
「ひとつ、お願いがあります。どんなときでも、どんな人に対しても、“リスペクト”ということだけ、忘れないでください。よろしくお願いします」
場内が一瞬だけ静寂に包まれた。それほど元日本代表MFの発した言葉は重みがあった。
試合後にネット上で物議を醸した智将へのブーイングは、それほどペトロヴィッチが「偉大な存在」であったという想いの裏返しなのかもしれない。だが、”あの場”でのブーイングは、果たして相応しかったのか。かつてクラブの象徴でもあった選手がアウェーサポーターに「リスペクト」を求めたのは、もちろん”台本”にはなかったことだろう。
浦和サポーターの存在感はJリーグでも屈指。その統率性たるや世界に誇れるものがある。そんな彼らに、クラブ史を彩ったレジェンドたちからの叱咤はどう響いただろうか。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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