「イップスではないと思います」首脳陣が説く藤浪晋太郎の“制球難克服計画” DeNAはいかに怪腕を再起させるのか?【独占】

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メジャーの舞台でも制球難に悩み、課題克服の道を歩み続けた。そんな藤浪にDeNA首脳陣は寄り添う覚悟がある(C)Getty Images

藤浪も模索する「再起の近道」は?

 球界屈指の豊富さを誇るデータに加えて、本人の考え方も考慮する。それらすべてをふまえた上で、大原コーチは自らの実体験も踏襲する。

「僕はコントロールで苦しむタイプではないと思っていたのですが、引退してバッティングピッチャーをやっていたときに“イップスみたい”になったことがあるんですよ」

 自らも突然の制球難に陥ったことがあった。現役生活を終え、バッティングピッチャーを務めていた時だった。

 しかし、「いまは問題ない」と課題を克服した経験を持つ大原コーチは、メンタル面がコントロールに寄与しているという“仮説”を立てる。彼があえて「イップスみたい」と表現するのは、イップスという言葉の重さを、選手たちがより深刻に考えてしまうことを避ける意味もあるのだろう。

 ゆえに大原コーチは、「彼(藤浪)はイップスではないと思いますよ。だって普通に投げていますから。この間のファームでも問題なかった」と7月26日に迎えたファームでのDeNAデビュー戦(対ロッテ)を分析。そして、こう解釈する。

「マウンドに上ったとき、ゾーンで勝負しなくてはいけないとか、そういう余分なところに気を取られているようならば、いいパフォーマンスには繋がりにくいですよね。そこは排除させてあげたい」

 藤浪本人も入団会見で「(メジャーリーグでも)『Be Simple』と言われてました」という通り、難しく考えないことこそが再起の近道というのは自覚している。投球動作に、マインド、その他多岐にわたり、簡単ではないのがピッチャーの生業。だが、「彼が『シンプルに』って言っているからには、僕らもシンプルにいきますよ。彼が迷わないようにね」と大原コーチは、結論づけた。

 誰もが一目を置くスケールの大きな右腕の新天地が、“迷宮”の出口となるように――。DeNAは心理面とテクノロジーを駆使して、もつれた糸をほどいていく作業に着手している。すべては藤浪のため、そしてチームのために。

[取材・文/萩原孝弘]

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