藤浪晋太郎、阪神時代から大幅昇給 「悪夢」と言われた怪腕がメッツ移籍で5億円に迫る年俸を手にできた理由
何よりも冴えたのは、日本でも異彩を放っていた剛速球だ。アスレティックスの投手コーチであったスコット・エマーソン氏が「フジのボールは通用する。あとは彼らしくいればいい」と唸ったほどの藤浪の4シームは、シーズンが進むにつれて鋭く、精度も向上。最速が100マイル(約160.9キロ)を超えたボールの平均速度は98.4マイル(約158.3キロ)で、空振り率は30.1%とメジャーでも屈指の一球となった。快速球に磨きがかかったのは、今回の契約に小さくない影響を与えたと言えそうだ。
無論、制球力や安定感など課題はある。ゆえに契約金も名だたるメッツ投手陣の中では決して高くはない。それでも阪神での最終年俸4900万円(推定)を考えれば、わずか1年で大幅な昇給を果たしたと言える。これはひとえに彼の努力の賜物であり、不振に喘いだ昨春に米メディアで「悪夢」とも揶揄されたメジャー移籍が間違っていなかったという証明でもある。
メッツでも藤浪はリリーフが主戦場になると見られている。そうしたなかで地元メディアからも「今年の結果次第でフジナミはもっと価値のある契約を手にできるはずだ」(メッツの専門サイト『Mets merized online』と期待される右腕の活躍は大いに注目したい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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