“最強打者”大谷翔平の1番固定は本当に無駄なのか? 懐疑論から見えた年間61発ペースの「課題」と「起用の正当性」

開幕から1番で固定され続けている大谷。(C)Getty Images
「あれだけの長打率を誇る選手を1番に置くのはもったいない。ドジャースはちょっと洒落た采配に走りすぎている。他にも選択肢はあるはずなのに。あのパワーを1番打者として消費することは、明らかに過剰であり、本来の目的である点を取るというチャンスを無駄にしている」
これはMLBの公式ネット局『MLB Network』の番組「MLB Now」のホストを務めるブライアン・ケニー氏が、大谷翔平の起用法に対して投げかけた“疑問”だ。二刀流スターの能力を認めつつ、昨夏から1番で固定され続けている偉才の現況が「正しくない」とするものである。
もっとも、今季も大谷はすこぶる調子がいい。現地時間6月6日の試合終了時点で62試合に出場し、打率.295、23本塁打、39打点、長打率.648、出塁率.388、OPS1.029のハイアベレージを記録。タレント豊富なドジャースにあっても、その打力は「最強クラス」と言っていい。
それほどの高水準の打者に多くの打席機会を与えるために、1番として起用するのは必然ではある。しかし、ケニー氏は「チームの最強打者を1番に据えるのは新時代的で、分析的というように聞こえるかもしれないが、本当にそれで得点は増えるのか?」とも訴えた。
もっとも、大谷の1番起用は「無駄」とは言い難いものがある。というのも、今季の彼の三振率は25.6%と高く、ムーキー・ベッツ(9.3%)やフレディ・フリーマン(18.8%)らと比較しても一目瞭然である。