「残念でならない」大谷翔平の米球宴HR競争“辞退表明”が波紋 米メディアはMLBに改善を求める「大谷が出場を見送った。MLBで最も市場価値の高い選手が…」
今季も本塁打を量産している大谷。彼の球宴での本塁打競争出場を求める声は尽きないが……。(C)Getty Images
大谷が「チャンスはない」と語った理由
必然の“公表”だった。
現地時間6月28日、ドジャースの大谷翔平は、ナ・リーグの最多得票で5年連続出場が決定したMLBオールスターゲーム(7月15日・アトランタ)で実施されるホームランダービーへの出場辞退の意向を示した。
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今季3度目の「1番・投手」の投打二刀流で先発出場し、メジャーでは自己最速となる101.7マイル(約163.7キロ)を投げたロイヤルズ戦後、大谷は淡々と自身の考えを語った。米スポーツ専門局『Sports Net LA』など複数の米メディアも参加した囲み取材の場で本塁打競争出場について問われた偉才は、「現行のルールだとなかなか厳しいので、今のところ(出場)チャンスはないかなと思っています」と語った。
今季も現地時間6月29日時点でナショナル・リーグトップの29本塁打を放っている大谷。ファン心理を考えれば、本塁打王を争うスラッガーの出場は「必然」と言えるのかもしれない。
そうした期待があってもなお、大谷が「チャンスはない」と明確にした理由は、シンプル。現行の施行方法が、出場選手にとってあまりに過酷で、怪我のリスクも伴うからだ。
2015年から始まった現在の米球宴における本塁打競争のルールは、かなりシビアだ。出場者は、球宴選出選手の中から厳選された8名。それぞれがトーナメント方式で対戦し、1回戦と準決勝は3分間、決勝は2分間で柵越えの本数を争い、飛距離によってボーナスタイムも与えられる。仮に1回45秒間のタイムアウトが可能で同数だった場合は1分間のタイブレーク、それでも同数の場合は決着がつくまでの3スイング勝負となる。
昨年からは1回戦を出場選手全員で争い、上位4名が準決勝以降のトーナメントに進出する方式に変更。さらに1回戦と準決勝は40球、決勝は27球という球数制限も加わり、選手の負担軽減が考慮された。それでもなお、短時間で本塁打を狙い続ける事実は変わらず、「疲労の溜まり方は尋常じゃなく、また出たいと思わない」と弊害を指摘する声は後を絶たない。






