ブルペン陣の負担増でも徹底制限…大谷翔平の“解放”求める声にド軍ロバーツ監督が叫んだ異論「それは単純に価値がない」

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大谷を二刀流で起用することチーム内ではさまざまな影響が出始めている(C)Getty Images

 2年連続の世界一に向け、「投打」で違いを生む男をどう起用していくか。ドジャース首脳陣の手腕が問われている。

 去る6月16日、大谷翔平(ドジャース)は23年9月以来となるメジャーリーグのマウンドに立ち、「投打二刀流」を再始動させた。そこから投手としての彼は9先発で23.1イニングを消化。メジャーを舞台にした前代未聞のリハビリだったが、球質は回数を重ねるごとに凄みを増している。実際、最速101.7マイル(約163.7キロ)を叩き出した4シームの平均球速(98.2マイル=約158キロ)は、右肘にメスを入れる前の23年のそれ(96.8マイル=155.7キロ)を凌駕している。

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 奪三振率12.34の高さが物語るように支配的な投球は見せている。そうした中で、大谷には、より長いイニングを託してもいいのではないかという声もある。MLB公式ネット局『MLB Network』の解説を務めるラッセル・ドーシー氏は「多少の余裕を与えていい。ポストシーズンに向けて球数を伸ばすべきだ」と指摘。いまや“火の車状態”となっているブルペン陣の負担軽減を考慮し、投球制限を設けない起用法を提案している。

 おそらく6回、もしくは7回以上を投げることもやろうと思えばできてしまう。それは大谷の傑物たる所以でもある。だが、大谷と23年12月に10年7億ドル(約1015億円=当時のレート)という超巨額契約を交わしたドジャースは、周囲の“異論”を意に介さない。彼らは二刀流スターの真価を守るために「大谷はできるから」と決断を鈍らせたりはしないのだ。

 米スポーツ専門局『ESPN』の取材に応じたデーブ・ロバーツ監督は、「競争している最中にそれを決めるのは簡単ではないが、ショウヘイは攻撃面でも、投手としても、私たちにとって非常に価値のある選手だ。だから5イニングを投げさせてから、もう1イニングの“延長”を要求することは、単純に価値がない」と断言。「それはリスクがあまりにも大きすぎる。今は我々のプランに満足している」と力説した。

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