なぜ?期限1週間前での大谷翔平”トレード除外”報道の裏に見えるエンゼルスオーナーの狙いとは

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ダブルヘッダーで完封と2本塁打という離れ業をやってのけた大谷。悲願のプレーオフ進出はなるのか(C)Getty Images

 エンゼルス・大谷翔平のトレード狂騒曲が終結した。米誌『スポーツ・イラストレーテッド』のトム・ベルデューチ記者が「独自ネタ」として第一報を流すと、他の米主要メディアも次々と続いた。「エンゼルスはショウヘイ・オオタニをキープする。この夏のトレード市場では買い手に回り、プレーオフ進出を目指すことを決めた」と報じた。

 今夏のトレード期限は米東部時間8月1日午後6時(日本時間2日午前7時)。試合はその時点で6試合を残しており、その間に全敗でもしようものならトレード期限前にプレーオフ進出が危機的状況へと追いやられる。

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 ベルデューチ記者は過去にもエンゼルスのアート・モレノ・オーナーの独占インタビュー取材などを担当しており、メディアの取材を普段は受けない同オーナーと懇意にしている数少ない記者だ。今回の独自ネタ報道は、モレノ・オーナーサイドからのリーク報道だった可能性が非常に高い。実際に多くの米球界関係者はそう踏んでいる。

 ではなぜ、期限1週間前というこの早い段階でトレードの可能性を消滅させたのか。一部関係者はこのオフの再契約交渉をにらんだ大谷への「ラブコールの一つ」と指摘する。

 大谷は今季終了後、自動的にフリーエージェント(FA)となる。契約期間中に延長交渉に合意しない限り、一度は退団して自由な立場となり、エンゼルスを含む全30球団と公平に契約交渉することができる。そこではメジャー史上最高となる総額5億ドル(約700億円)とも、6億ドル(約840億円)とも言われる超大型契約が予想されている。

 モレノ・オーナーの最大の願いは、そこで大谷と生涯契約とも言えるような長期契約を結び、この先も長くエンゼルスでプレーしてもらうことだ。そのための再交渉を少しでも有利に進めるために、大谷へ示した誠意がこの1週間早い「キープ宣言」だった、という見方だ。

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