打者専念の大谷翔平は数字をより伸ばすのか 不安な過去2年のデータと追い風になる重要な要素とは
慣れ親しんだエンゼルスタジアムからドジャースタジアムへ 本拠地の変化はパフォーマンスにどう影響を及ぼすか(C)Getty Images
エンゼルスからドジャースへ移籍した大谷翔平は、右肘手術の影響で来季は打者一本でプレーする。ドジャーブルーのユニフォームに袖を通しての投打二刀流は、再来年の2025年までお預け。打者に専念する分だけ、投手としての負担が減って打棒により期待する声もある。だが、話はそう単純ではないかもしれない。
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大谷は2018年10月に、右肘のトミー・ジョン手術を受けた。その影響で2019年は打者一本に専念。そう、来季と全く同じ状況だったのだ。
では、打者としての成績は。ご存知のファンも多いだろうが、決して芳しいものではなかった。メジャーデビューイヤーの2018年は104試合、367打席で22本塁打。翌2019年は106試合で425打席に立ったが、18本塁打と本数は4本減らした。打率は.285→.286とほぼ変わらなかったが、二塁打も21→20と減少。打者を評価する上で最も重視されるOPS(出塁率+長打率)は.925→.848と大きく減らした。
その翌2020年は新型コロナウイルスの感染蔓延を受けて60試合の短縮シーズン。大谷は投手として復活したものの、2試合目で右肘に異変を訴えて早々にシーズン中の登板をシャットダウンした。実質的に、2年連続でほぼ打者一本だったシーズン。ここでは44試合で打率.190、7本塁打、OPS.657とメジャー自己ワーストの結果に終わった。
もっとも、打者・大谷が一段も二段も上のステージへと駆け上がったのは、この雌伏の2年を経た2021年シーズン。それ以前の数字であり、打者専念で二刀流として育んできたリズムを失い、数字を落とすというのはいささか乱暴な見方ではある。