前代未聞の994億円後払いはなぜ成立した? 大谷翔平の敏腕代理人が明かした真相「業界で大きな波紋を広げる契約だった」
「業界でも、これまでにないほどの大きな波紋を広げる契約だった。ただ、ショウヘイにとって何よりも重要だったのは、自分が組織の足枷にならないこと。彼はとにかく『給料の全て、もしくは一部を延期したらどうなるのか? 僕の経済的には問題ないよ』と言うだけだった。彼にとっては、ドジャースが競争力を維持し続け、優勝し続けられるチームを作り上げるために、(金額がかかるトップレベルの)選手と契約できるようにすることが重要だった。それが彼のここでの究極の目標だった。ショウヘイはそのビジョンを実現したんだ」
大谷側からの後払いの申し出は、百戦錬磨のドジャース首脳陣にとっても驚きの事態だった。多くのスター選手獲得を成功させてきたスタン・カステン球団社長は「アンドリュー(・フリードマン編成本部長)から初めてその言葉を聞いたときのことを覚えている。私は『もう一度言ってくれないか?』と言ったよ。それが私の正直な反応だった。アンドリューは『それでうまくいくかな』と言ったんだ」と吐露。当時の心境を告白した。
大谷の後払いの効果は絶大だった。チームが課されるぜいたく税は7000万ドル(約105億円)から4600万ドル(約69億円)に減額。今オフもFAになっていたサイ・ヤング賞左腕ブレイク・スネルを6200万ドル(約93億円)が後払いの5年1億8200万ドル(約272億円)で獲得し、ポストシーズンで大活躍したトミー・エドマンとも2500万ドル(約37億円)が後払いとなる5年7400万ドル(約111億円)で契約延長にこぎつけた。
そのやり口は物議こそ醸しているが、違反行為には当たらない。バレロ代理人が言う通り、「大きな波紋を広げた」契約はドジャースが“銀河系軍団”を作り上げていく上では、常とう手段と化している。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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