「センスがありました」中田翔は守備も超一流だった 「彼からのバックホームは本当に捕りやすかった」元同僚・日本ハムOB鶴岡慎也氏が込める誇りと敬意

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 そして3年後の2012年。中田は堂々の主力に成長していた。「彼が4番にドンと座って優勝できた。西武の野上(亮磨)、十亀(剣)から2本ホームランを打って、5-0で勝った試合があったんですよ。吉川(光夫)が完封して、これで優勝だなと思いました」。その言葉通りに、9月28日の西武戦(同)に完勝し、優勝マジック「4」が点灯。3年ぶりのリーグ優勝を引き寄せた。「2012年は翔に優勝させてもらったようなもの。感謝の気持ちがありますね」と感慨深げに話した。

 中田には通算309本塁打のパワーが、真っ先に思い浮かびそうだが、鶴岡氏の印象は少し異なる。「彼はバッティングが注目されがちですけど、守備がめちゃくちゃ上手かったんですよ。あんな守備が上手いファーストはいなかったよな、と今でも思いますね」。ゴールデングラブ賞5度の実績に裏打ちされた技術は、同じグラウンドにいたからこそ、より強く実感している。

 また、2013年までは外野守備がメインで、地肩の強さを生かした力強い送球を、捕手の立場で何度も受けてきた。「彼からのバックホームは、すごくいいコントロールだったので、本当に捕りやすかった。センスがありましたね」と何度もうなずいた。

 打って、守って、一時代を築いた男の引き際。その凄さを間近で感じてきただけに「まだまだできただろうと思いますけど」と寂しさをにじませながら、「入団してきた時から、ずっと注目されて、打点王も獲った。本人の中で、納得しての引退だと思います。次にどういうことをやるのか分からないですけど、応援していきたいです」とエールを送った。その言葉には、ともに戦った者にしか分からない誇りと敬意が込められていた。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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