【第4回】トミー・ジョン手術からの再出発――「ようやく全力で投げられる」先に武田翔太が見据えるもの
新天地・SSGランダースでは、先発ローテーションの一角を託される見込みだ。
「第一前提として、年間通してローテを守ること。怪我なく、シーズンをしっかり回り切ることが一番大事だと思っています。そのうえで、チームに良い影響を与えられるような投球ができれば嬉しいですね。今回は僕が“外国人選手”の立場になるので、その点も理解しながらやっていきたいです」
技術面では、「もう一段階の進化」を目指している。
「チームを勝たせることは絶対条件ですけど、個人としては球速やコマンド、ピッチデザインといった細かい部分を、全体的にパワーアップさせたいです。韓国でも野球ノートはもちろん続けますよ。さすがに日本語で書きますけど(笑)」
最後に、日本のファンと、これから出会う韓国のファンに向けてメッセージをもらった。
「ホークスでの14年間、波はありましたけど、ずっと応援してくれた方々がいました。顔と名前が一致するファンの方も多いですし、本当にありがたいなと感じています。まだ野球を続けられますし、ここからもう一花咲かせて、一緒に喜べるように頑張りたい。これからも応援してもらえたら嬉しいです」
そして、SSGファンへ。
「まだどんな選手か分からないと思うので、それは球場で、自分の目で見て判断してほしいなと思います。チームの力になれるように、まずはロースターにしっかり入ること。そこから全力でやっていきます。僕の背中を押してもらえたらうれしいです」
来春、日本で行われるキャンプでは、古巣ホークスとの練習試合が組まれる可能性もあるという。
「もし対戦することになったら、全力で投げます」と笑った表情には、揺るぎない決意が見えた。
トミー・ジョン手術を乗り越え、「ようやく全力で投げられる」状態を取り戻した右腕が、今度は韓国のマウンドでどんな物語を紡いでいくのか。新たな挑戦は、すでに始まっている。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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