アーツに勝ってミルコに負けた男が、秒殺KOの倉本一真にエール「負けて強くなることで謙虚さと感謝が生まれる」
大山さんは「太田選手は瞬間を見逃さず、素晴らしいカウンターでした。倉本選手としてはとても悔しい試合になってしまいましたね。僕もそういった経験があるので、気持ちは痛いほどわかります…」と慮ると、当時をこう振り返った。
「かつてPRIDEでミルコ・クロコップと対戦した時、当時ミルコが負け込むような試合もあったので、『大山も勝てるんじゃないか』という風潮があったんです。僕もちょっとそんな気持ちがあったけど、実際は何もできず開始1分でKO負けでした。『なんであの時…』って、ただただ自己嫌悪に陥ってしまいましたね。そこからもうPRIDEにはいられないと思って去ったんですけど、HERO’Sからオファーが来て、まだ必要とされているんだって嬉しかったです。
その時、現在の平本蓮選手の師匠・岩崎達也さんに従事して、間の取り方とか、構えとかを教えてもらいました。おかげでHERO’Sの旗揚げ戦で勝つことができたし、その後の大晦日には目標だったピーター・アーツ戦で一本勝ちしました。格闘家人生では負けることの方が多かったですけど、負けることで強くなる、得られることもたくさんありました。そうやって成長していくと謙虚と感謝が出てくるんです。そうなるとさらに強いですよね。だからこそ、倉本選手にはこの負けを糧にさらに進化して戻ってきて欲しいですね」
辛酸をなめた元エリートは、必ず何度も這い上がってくる。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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