「部活いらないじゃん」にどう立ち向かう?進化するAI、タイパ、コスパ重視の時代だからこそ…訴えたいスポーツの「価値」 慶應義塾高校・森林貴彦監督インタビュー【前編】
――コスパにタイパ。極力、無駄を省く現代人の思考が根底にはあるのかもしれません。
森林 そこを部活動や学校、スポーツという場で大いにチャレンジする。その結果、一時的に失敗に見えるかもしれませんが、それをまた糧にして次の成功に生かすために使う。「失敗」って言うと、誰もが避けたいものですが、次の成功のための過程であり材料。そう捉えていけばいいと思うんですよね。
――「失敗したくない」から「失敗してもいいからチャレンジする」となれば、新しいことをやってみよう、変革を志そうと、若者が一歩踏み出すマインドも醸成されます。
森林 これからAIが全盛となる中で、若い人がやる前にネットで調べて、「こうやればうまくいく」「こうやれば失敗しない」と失敗を回避する風潮はさらに高まっていくでしょう。でもスポーツは、自分の身体を使って表現するので、自分の身体をどう操作できるかとか、頭の中だけでは解決できないんです。
――リアルとバーチャルはまた、別物ですからね。
森林 AIに「140キロの球をどうやったら打てますか」と聞けば答えてくれるけど、自分の身体でできるかと言えば、分かっていたってできない。それを身体でどう表現するかというのは、スポーツの大事な部分です。身体表現において、失敗はつきもの。試行錯誤があって当たり前です。失敗を含めて、上達や成長のプロセスを楽しむことができれば、AIやタイパ、コスパの時代に、スポーツや部活動の価値が見直されるようになると思うんですよね。【後編につづく】
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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