“出る杭は打たれる”日本で異質な言霊 井上拓真との世界戦に那須川天心は何を想い、何を描くのか「負ける覚悟もある。だからこそ、俺が勝つ」

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8戦目にして初の世界戦に挑む天心(C)産経新聞社

井上尚弥が「(拓真が)絶対に勝つ」と望んだ試合

「自分の幽霊を見せたい」
「格闘技でやってきた全てを使って、井上拓真という男にぶつかっていきたい」
「あと2か月間、どれだけの日々を一生懸命、毎日をやりきれるか」

“名言”のオンパレードだった。

【動画】圧巻のTKO勝ち!那須川天心が見せた猛ラッシュの映像

 ボクシングWBC世界バンタム級1位の那須川天心(帝拳)は、同級2位で、前WBA世界同級王者の井上拓真(大橋)と、11月24日にトヨタアリーナ東京で開催される王座決定戦に臨むことが正式決定した。先述のコメントは、その発表会見で発せられた言葉の数々である。

 ともすれば、虚勢のようにも聞こえなくもない。なにせ相手は日本ボクシング界が誇る“モンスター”井上尚弥(世界スーパーバンタム級4団体統一王者/大橋)の実弟である元世界王者。23年4月にキックボクシングから鳴り物入りで転向した27歳にとっては、文字通りの強敵であり、「僕の知らないボクシングをたくさん知っている」と認める技術の差は間違いなく存在する。

 実際、巷では天心不利説が大半を占めてもいる。会見後のSNSをはじめとするネット上には、「謙虚さがない」「このデカい口はなんとかならないのか」「勝ってから言えよ」といった辛辣な意見も目立った。

 だが、いかなる“逆風”も「ただの常識で僕を測ってもらいたくない。常識を変えるヤツは非常識なヤツしかいないと思う」と意に介さない。SNS時代に突入した昨今の日本は、出る杭は打たれる風潮が強まりつつある。そうした中で格闘技界を生き抜き、「常に自分は自分。今の時代は個人の世界。誰が何したとかじゃなくて、自分がどうするかを見られている」と語る神童は、誰にも打たれないような出過ぎた杭になろうとしているのかもしれない。

 そうした背景を考えても、今回の世界戦で天心のボクサーとしての真価が問われるのは間違いない。

 そもそも、この試合は、他でもない“モンスター”が「拓真を天心選手とやらせてください。そっちの方がモチベーションも上がるし、どうしてもやりたい。絶対に勝つから、やらせてください」と大橋秀行会長に直訴し、実現に向かったカードでもある。つまり現時点で稀代の王者には「絶対に勝つ」と言うほどの差が見えているということではないか。

 今年6月に開催されたビクトル・サンティリアン(ドミニカ共和国)との一戦で判定勝ちを収めた天心。勝つには勝ったが、「課題」とする詰めの作業を徹底できず、セコンドからも「世界は絶対に無理」と喝をいれられた。試合後には「『那須川天心』である以上、求められるものは大きいし、やっぱいろいろな課題だったり、普通の人だったら時間をかけられるものをかけられなかったりする」と吐露。その上で、こうも漏らしていた。

「だからボクシングに対しての見方をちょっと変えなきゃいけないのかなっていうか、ボクシングを2年やってこんなに好きになるかっていうのもあるし、ボクシングの奥深さに凄い憑りつかれていますし、だからこそ綺麗にやりすぎているっていうのもあるだろうし。だからもっとボクシングの見方を変えていろんなパターンを使っていきたい」

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