昨季の日本一チームも一気に解体進むか 終戦の阪神で注目高まる投打の「FA組」の去就とは
中継画面に映し出される岡田監督の表情は厳しく、自身のさい配ラストとなった試合は無情の結末となった。試合後は2年間の監督生活を振り返って、日本一にもなったことで悔いはないと話したという。
そして今シーズンを終了した阪神で待ったなしとなるのがFA組の対応だ。
今季は特に主力選手の多くがFAイヤーを迎えており、球団側の対応が注目される。
主砲の大山悠輔は国内FA権を取得。今季は不振の時期も長く、一時ファームの調整時期もあったが、7年連続で2桁本塁打をマークする右のスラッガーは希少な存在とあって、仮にFA宣言となれば、争奪戦となることは予想される。
扇の要である梅野隆太郎、坂本誠志郎もともにFAイヤーとなる。梅野は海外FA権を持ち越している。
捕手併用で昨年もチームの日本一を達成したが、ともにリードや強肩など強みがあり、特に坂本は年俸7000万円(推定)と編成に関しても優位に働く部分はあり、仮に宣言すれば、こちらも争奪戦が予想される。捕手は貴重ポジションとあって、果たしてどうなるか。
21年、22年に連続最多勝のタイトルも獲得した変則右腕の青柳晃洋は近年は不振に苦しむも昨年の日本シリーズ第7戦ではオリックスと戦い、宮城大弥との投げ合いを制したことも記憶に新しい。開幕投手も務め、ベテランらしく、大一番に強いこともメリットとなりそうだ。
代打の切り札・原口文仁、糸原健斗もFA権を取得した。ともに若手を盛り上げ、モチベーターとしての役割も評価されている。原口は最終戦となった13日の試合でも9回に代打として出場、レフトへソロホームランを放つなど、長打力があることもアピールした。さらに出場機会を得たいと考えたときにどのように判断を下すのか。
試合終了後の球場では大敗に関わらず、超満員の観客も席を立たず、「岡田コール」が沸き起こり、岡田監督の現役時代のヒッティングテーマ曲を流すなど、名将の勇退を惜しんだ。
岡田監督の後任には球団OBの藤川球児氏の就任が決定的となっている。常勝軍団への道をどう描いていくのか。新指揮官はFA選手への対応も大事な仕事となりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
【関連記事】「前半戦がいかに打てなかったか」連覇を逃した阪神 球団OBは開幕から続いた打線の不振が原因と一喝
【関連記事】岡田体制の最終戦で浮かび上がった“課題” 阪神・梅野の「異例交代」に反響が止まず「リードはやっぱり難しい」
【関連記事】「日本は真っ向勝負をしない」――韓国で3割&30本超えの“再ブレイク” 元阪神ロハスの言葉に隠れる助っ人見定めのヒント