藤川阪神になぜセ・リーグ5球団は追いつけないのか 7月にマジック点灯、異彩放つチームマネジメント力、懲罰交代も敢行…驚異の「1.91」
キーワードとしてあがるのは「チームマネジメント」「危機管理」能力の高さだ。
選手のコンディション管理に目を光らせて、直近ではリーグトップの奪三振数を誇るジョン・デュプランティエを抹消したことも話題を呼んだ。
先発陣の顔ぶれが潤沢だからこそできることだが、ドラフト1位左腕の伊原陵人は開幕当初は中継ぎスタート。その後、先発へと移行した。現在安定したパフォーマンスを取り戻した伊藤将司も開幕当初は中継ぎで登板、その後、ファームで再調整を経て、交流戦から再び合流。現在の防御率は1.03と持ち味の丁寧に低めをつき、圧巻の投球を示し続けている。先を見据えての選手起用、1、2軍の連係がしっかり取れていることも感じさせる。
また前半戦終盤においては「懲罰交代」で、チームを引き締める一幕もあった。
7月12日に行われたヤクルト戦(甲子園)、1点リードの4回一死二、三塁。豊田寛は遊ゴロで三走の大山悠輔が挟殺プレーで二死となる中、二塁を狙い、アウトになった。
二死からの走塁は慎重さが求められる中での判断ミスに対し、藤川監督は5回から豊田を交代。この交代に対し、指揮官は「全体へのメッセージ」と説明、凡事徹底を改めて訴えていた。
そして何といっても強みとなっているのは猛暑の7月に入って通常なら崩れが目立ち始めることが多い投手陣のパフォーマンスだ。チーム防御率1.91は異例、最近では先発で疲れが見えたら早期交代、一方でコンディション的に長い回もいけると感じれば、才木浩人のように完封勝利を達成させるなど、メリハリの効いた采配が際だつ。
救援陣でも30日の試合で8回を抑えた石井は33試合連続無失点記録と、まさに異次元の「投手王国」を作り上げようとしている。
ほかにも故障者が少ないことでオーダーに関しては1-5番まで固定し、それぞれの役割をしっかり果たしていることも大きいとされる。
マジック点灯にもどっしり構え、すべては「過程」と表現する青年監督が果たしてどんな常勝軍団を築いていくのか。今後のタクトも注目を集めていきそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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