王者の確信が上回った60分――濃密なブレイクダウン合戦を制した桐蔭学園が京都成章の執念を退け3連覇【高校ラグビー決勝】
後半に入ると、桐蔭が躍動し始めた。前半からのプレッシャーがフィジカル的にも心理的にも京都成章を守勢に追い込んだ。4分にNo.8の足立佳樹のラインブレイクから、ラックを連取し、最後はトライライン前の混戦から足立が押し込んでトライ。その2分後には、パントキックを追いかけたWTB鈴木豪のキックチャージから素早い展開で連続トライを奪った。それまでの京都成章なら仲間の素早い集散を信じて、ボールをキャッチしたプレーヤーがカウンターアタックに出てもおかしくない状況だったが、桐蔭のプレッシャーの強さを恐れたが故のキックがチャージを喰らい、トライを奪われてしまった。
桐蔭は14分にもSO竹山史人がキックチャージからのトライを奪ったが、このトライも強力なブレイクダウンで京都成章に手詰まりを感じさせ、キックで逃げざるを得ない状況を作り上げたからこそのトライだった。
この時点でスコアは26-5。一気に桐蔭に流れが傾いてもおかしくなかったが、京都成章は諦めなかった。桐蔭のお株を奪うように、ブレイクダウンで前進し、最後は数的優位を作り出してWTB篠がこの日2本目のトライを奪い26-10と追いすがる。その後、桐蔭は曽我がDGを決めて29-10とするが、ここでもまだ京都成章の反撃の火は消えなかった。26分に相手トライライン前5メートルのラインアウトからピック&ゴーを繰り返し最後はHO米本啓太朗がねじ込んだ。相手のストロングポイントに挑み、堂々とそれをぶち破ったトライに京都成章の矜持を感じた。
試合は終了間際に桐蔭が1トライ1ゴールを加え、最終スコアは36-15。点差こそ開いてしまったが、両チームともに持ち味を遺憾なく発揮し、すべてを出し切った見事な戦いだった。
桐蔭学園は通算6度目の優勝で天理、東福岡と肩を並べ歴代4位となった。来季は啓光学園(現常翔啓光学園)以来の4連覇を目指すこととなる。毎年、前年の踏襲はせず、ゼロベースから作り直すという藤原秀之監督がどんなチームを作り上げて花園に戻ってくるのか、今から楽しみだ。
[文:江良与一]
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