FA補強では埋まらない「岡本の穴」「村上の穴」 ドラフト指名からの4番育成こそ近道か
主砲、岡本が抜けた穴をいかに埋めるかは来季の大きなテーマとなる(C)TakamotoTOKUHARA/CoCoKARAnext
フリーエージェント(FA)宣言選手がコミッショナーから公示され、8選手の名前が上がりました。
投手陣では楽天のエースとして一時代を築いた則本昂大や、ソフトバンクの先発ローテを長年担ってきた東浜巨、さらには外野手ではDeNAのリードオフマン・桑原将志、走攻守3拍子揃う楽天の辰己涼介、日本ハムの2022年パ首位打者・松本剛らが、果たしてどのような決断をするのか。当該球団のファンにとっては、気が気じゃない日々が続くことでしょう。
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それでも、プロ野球担当歴の長いスポーツ記者は、今年のFA戦線についてこんな感想を漏らすのです。
「FA市場という意味では、そこまでの超大物はいないかなというのが正直なところです。正直なところ、NPBで超一流になった選手の多くは、国内FAよりも、メジャー移籍で桁違いの報酬を得ることがモチベーションになっている。岡本和真が米球界に挑戦する巨人や、村上宗隆がメジャー移籍するヤクルトは、その穴をいかに埋めるか思案していると思いますが、今の時代、FA補強では埋まらないというのが実情でしょう」
そして、こう続けます。
「FA補強の場合、マネーゲームで金額が高騰する一方、選手のピークはすでに過ぎてしまっている例が多いんです。FA加入する選手に大盤振る舞いした結果、生え抜きで頑張ってきた選手たちとの年俸格差がいびつな形になってしまい、チーム内のバランスが崩れ、不協和音となったことも過去にはありました。コスパを考えると、必ずしも効率的な補強とは言えないと思います」
ならば、どうするか。
前述の記者はドラフト指名からの育成という、編成の「一丁目一番地」こそが、チーム強化の根底であると熱弁するのです。
「一見、時間ががかりそうですが、アマチュア選手の才能を見抜き、ファームで鍛錬を重ね、試合経験を積ませた上で一軍に送り出すことが一番、理にかなっています。思えば岡本選手も村上選手も、そのように当時の首脳陣が手間暇をかけて、育て上げたわけですから」






