「最優秀GKはリー・ハオだ」中国の異論が示した深い命題 荒木琉偉との「20点差」が埋まらない理由【U23アジア杯】

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荒木、リー・ハオはいずれも優れたGKだったが…(C)Getty Images

 U-23アジアカップは、中国との決勝を4-0で制した日本の優勝で幕を閉じた。MVPには大会4得点と、それ以上に攻守で存在感を発揮した佐藤龍之介が選ばれている。この表彰に異論を唱える人はいないはずだ。

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 しかし、最優秀GKに荒木琉偉が選出されたことについては、中国サイドから異論が出ているようだ。準決勝まで無失点をキープしたGKリー・ハオのほうがふさわしいと、中国を率いたアントニオ・プチェ監督もそう語っているらしい。

 確かに中国がファイナリストになったのは、リー・ハオの力が大きかった。中国のピンチは毎試合、山のようにあり、無失点を続けたのはGKのファインセーブのおかげだ。決勝の日本戦でも、66分に佐藤が左足で打ったシュートをダイビングして防いだ場面は、リー・ハオの能力の高さを示している。

 その直前には同じ佐藤のPKに対し、非紳士的行為で警告を受ける寸前の子供じみた挑発を行っていたが、ズバッと完璧に決められ、屈辱を味わった。しかし、それで0-3と絶望の淵に落とされても、自滅してプレーを崩すこともなく、7分後にファインセーブ。その場面からは、リー・ハオの精神的な強さも感じた。GKとしては特に大事な要素だ。

 良い選手であるのは間違いない。U-23アジアカップの6試合で、リー・ハオが記録したセーブ数は33。特に準々決勝のウズベキスタン戦は28本のシュート(枠内8本)を完封し、絶体絶命のPKもセーブしている。圧倒されながらも0-0でPK戦へ持ち込み、そこでも相手のシュートを防ぎ、4-2でチームを勝利へ導いた。

 日本戦では4失点したが、大関友翔の先制ゴールは味方に当たった跳弾。4点目の小倉幸成のゴールも同様だ。3点目の佐藤のゴールはPK、2点目の小倉のミドルシュートもコース、弾道ともに完璧すぎて、GKが防ぐ余地はなかった。リー・ハオにミスは一つもない。

 一方で、決勝を無失点で終えた最優秀GKの荒木を襲ったシュートは、わずか6本(枠内2本)だ。中国が0-4で敗れたのはチームの差であり、GKの差ではない。チームの結果により大きな影響を与えたのは、明らかにリー・ハオであると。負け惜しみとは思わない。至極真っ当な主張だ。

 荒木とリー・ハオ。最優秀GKにふさわしいのはどちらか。

 この問いは「良いGKとは何か?」の命題を与えている。

 荒木は確かにリー・ハオほどセーブ機会が多くない。彼は試合の多くの時間帯で、ハイラインを設定する市原莉音らDF陣の背後で広いスペースをカバーする。また、ボールを持ったら的確につないでプレスをかわし、中国に攻撃の機会を与えない。これらは逐一喝采を浴びるようなプレーではないが、日本と中国の間に攻撃回数の差を生む要因であり、そこに荒木は貢献している。

 また、彼はゴールを守るだけでなく、ゴール前を守るGKだ。サイドから相手のクロスが入るとき、荒木はゴールラインに立たず、クロスに正対してキャッチングに行く。ロングボールに対しても同様だ。彼はシュートだけでなく、クロスやスルーパス、ハイボールを防ぐことにも長けている。未然に相手の攻撃を終わらせているので、セーブ機会は減る。自ら減らしている。

 派手なGKにありがちな例だが、たとえば、クロスをパンチングで弾いたとする。こぼれ球を相手がシュートしてくる。横っ飛びでウルトラセーブ。こぼれたボールをまた打ってくる。ダイビングしてパンチング。ボールがこぼれると、また打ってくる。驚異的な反射神経でミラクルセーブ! 3回もそんな場面が続けば、スタジアムは大いに盛り上がるだろう。そして、そのGKには3回のファインセーブが記録される。

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