望みをつないだケニア戦で見せた宮部藍梨のポテンシャル この経験は必ずや未来で活きる【パリ五輪】

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 海外勢に対抗できうる高さはブロック面で光り、同時にチームの強化ポイントであるサーブにおいても、宮部は効果的に相手を崩した。またサーブを打った直後に後衛でレシーブに入り、ラリー中には丁寧にパスをつなぐなど、まさに“オールランド”なパフォーマンスがキラリ。パリ五輪に臨むチームにおいては、東京五輪経験者の山田二千華と新進気鋭の荒木彩花の両ミドルブロッカーを主軸に据えつつ、宮部はリリーフサーバーからそのまま前衛でもプレーすることでチームにリズムをもたらす存在となった。

 そんなリザーブという役割も、これまでの宮部のキャリアにおいては少ないものだったが……。「途中から入るのは簡単に見えるかもしれませんが、私自身は難しいと感じています。ただ、それを『難しい』と思うのではなく、『よし、自分が輝けるチャンスだ』と思うようにしているんです。頑張れば、みんなのためになりますから」と話すさまが頼もしかった。

 パリ五輪では苦しい戦いを強いられるチームの中でも、宮部は気を吐く。そうしてケニア戦では第1セット中盤に荒木に代わって投入されると、23-16からBクイック、24-17からライト攻撃で得点をマーク。開始時からコートに立った第3セットは早々にセッターの関菜々巳と息ぴったりのBクイックを一閃。ストレート勝ちを収めた試合の中で、アタックの打数は5本、うち4得点と数字自体は決して目立つものではないだろう。けれども、その姿はまさにミドルブロッカーそのもの。眞鍋監督によって引き出され、形となったプレーヤー像だった。

 パリ五輪以降で、宮部がどのステージで、どのポジションでプレーするかは誰も、当の本人だって分かりえない。この3年間でさえ「葛藤はあった」と宮部は明かしている。ただ、これまでのキャリアを振り返り、「みんなができる経験ではないので。いろんなことができて楽しいなと思えます」と口にできるのが宮部らしい部分。花の都で得た経験は、この先の未来で必ずや活きる。





[文:坂口功将]

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