“小さな大魔神”は復活するのか 過去2年で5セーブの山﨑康晃が葛藤しながら決意した2つの変化「怖さはありますよ」【DeNA】
試行錯誤しながら復活へのプロセスを歩んでいる山﨑(C)萩原孝弘
復活への道を提案したコーチ陣。心にあった元守護神への想い
山﨑を蘇らすためにチームも動いた。「彼から沖縄で動作解析したいというリクエストが有りまして、『やろう、やろう』って話になりました」と経緯を明かす小杉陽太チーフ投手コーチらデータチームも徹底的にサポートした。
投球フォームの修正について「今でも超インステップですよ」と語る小杉コーチは、大幅なフォーム変更ではないと強調。しかし、「測定していく中で、回旋の動きや左足の床反力の受け方。ダイレクトに、直線的に反力を受け取れたときのほうが、ボールの質がかなりよくなるところが見えてきた」という。ここまで明確に課題が炙り出せたのは、パフォーマンスコーディネーターを含めたデータ班と改善策を深掘りした成果だった。
DeNAが誇る解析機器を用いて取り組んだ効果は素早く表れる。山﨑自身が「そんなに力を入れなくても出力が感覚的に上がった」というボールは、「データを見てもこんなに軽く投げているのに、頑張って投げているときと同じくらいのスピードが出ている」(小杉コーチ談)。復活への道標も見えてきた。
そして、新球については、小杉コーチにも強く勧めたい明確な根拠があった。
「第3の球種は、見せ球ではない。カウントが取れる、空振りが取れるようなところまで行かないと」
中途半端なボールでは意味をなさない――。そこで目をつけたのは豊富に蓄積してあった過去のデータ。そこから「2021年ぐらいまで遡ったときに、結構いいスイーパーに近いスライダーを投げている時期があることがわかりました」とヒントを見出した。
「これは2シームがしっかり落ちていることが大前提なんですけれども、今は良い数値で落ちているので、位置関係を散布図で見たときに、だいたいこのくらいの距離になったほうが空振りも取りやすいし、球速帯もこのくらいがいい。カットよりも大きい変化のほうが、バッターが2シームをケアする中で、横に変化するボールがあれば、カウントも空振りも取れる」
一説として落ち球を得意とする投手は、曲げ球を投げると他のボールに影響があると言われている。しかし、首脳陣は「曲げようと思ってアームアングルが下がることもない」と不安視はしていない。むしろ、「彼はホップ成分プラスシュート成分を持っているので、どちらかと言うとカットを回外で出すことのほうが難しく、影響がでてしまうのでは」と特性を見極め、スライダーの取得が「ベターだ」という結論に至った。








