パドレス戦の完璧投球が想起させた“138球の完投” 山本由伸は負けたら終わりの決戦で“また”折れなかった「ヨシに賭けた」

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 オリックス時代の23年に迎えた阪神との日本シリーズ第1戦で、満を持してマウンドに立った山本だったが、「とにかく低めを狙え」という敵将・岡田彰布監督の術中にハマり、5回2/3を自己ワーストの7失点でKO。まさかの大炎上を喫した。

 だが、阪神に王手をかけられて迎えた第6戦でふたたび先発機会を得ると、9回(138球)を投げ、わずか1失点の完投勝利。日本シリーズ最多の14奪三振をマークした。この時、勝利監督インタビューで「全部、由伸に賭けました」と強調した中嶋聡監督が、「山本由伸が2回連続でやられる訳がないと思っていました」と叫んだことは野球ファンの脳裏に焼き付くセリフでもあった。

 もしかしたらドジャースのデーブ・ロバーツ監督も「2回連続でやられる訳がない」と思ったのかもしれない。パドレスとの決戦後に米スポーツ専門局『FOX Sports』の中継番組に出演した指揮官は、「我々は今夜、ヨシが人生最高の投球をしてくれると賭けた」と語った。

 無論、開幕前からワールドシリーズ制覇の筆頭候補に挙げられてきたドジャースの正念場はここからではある。月曜日から始まるリーグ優勝決定戦で対峙するメッツもパドレスに引けを取らない強敵である。

 とはいえ、だ。手に汗握る熱戦で役割を全うし、投手として一皮むけた姿を見せた山本を強調せずにはいられない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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