大砲・筒香嘉智が描く“番長への花道” TBS時代を知る恩師と紡ぐ物語「僕がアメリカにいた時、連絡いただいたのは監督でした」【DeNA】
今季限りでの辞任が決まった三浦監督(C)萩原孝弘
目先の結果よりも感覚に軸足を
ここからはクライマックスシリーズ(CS)制覇、そして日本一へと向かう。無論、筒香は早々と短期決戦への準備に入っていた。
シーズンラストに放った250号に対しても「CSもありますので、めちゃくちゃなバッティングは崩れる原因になるので。完璧に狙いに行ったっていうわけじゃないですけど、その最低限の中で打ちました」と記録よりも現状の状態キープにフォーカス。さらに「ホームランの後の打席の1打席、身体が開いてスイングしてしまうと例えホームランになってもその感覚が残りやすい。なので、最後となった2打席目はすごく丁寧に入ってるんです。結果はフライアウトでしたけど、打席は非常に良かったかなと思います」と目先の結果よりも感覚に軸足を置き続けた。
11日に開幕する巨人とのCSファーストステージに向け、「間隔が空きますので、しっかりと強度を上げて調整していきたいと思います」と語る筒香は、緻密なプランニングの下、感覚を研ぎ澄ます。この浮足立たない姿は、なんとも頼もしい。
最大のターゲットはもちろん昨年に続く連続日本一だ。そこには今シーズン限りでの辞任を表明した三浦監督への恩義もある。
「僕がアメリカにいた時、連絡いただいたのは監督でしたしね。残念ながら来季はないということですけど、監督もおっしゃってましたし、チームミーティングでもみんなが言ってましたんで、もう1度監督が笑顔で終われるように、選手が頑張らないといけないなと思ってます」
なんとか恩師を有終の美で送り出したい――。その決意は固い。
長年、エースとして君臨していた“ハマの番長”三浦大輔と、精神的支柱となるまでに成長した”ハマの大砲”筒香嘉智。勝利に枯渇していたTBS時代から苦楽を共にした両雄のストーリーは、再び日本一のフラッグを掴み、新たなフェーズへと続いていく。
[取材・文/萩原孝弘]
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