「人生の方が大事ですから」――ダルビッシュ有が問いかけた“野球の意義” WBC宮崎合宿での特命コーチ帯同に期待したくなる理由

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メジャーリーガーの中で唯一、宮崎合宿から参戦した前回大会のダルビッシュ(C)CoCoKARA next

「あの人がいなければ――」今永がWBC開幕前夜に漏らした感謝

 楽しんでこその野球――。その心得を説かれたナインのケミストリーはかくして深まった。その空気感は、当時の栗山英樹監督が「ダルビッシュ・ジャパンと言ってもいいくらい。何十年かたったときに、日本の野球界にとって本当に大きなものになるのは間違いない」と認めるほどの価値を生んだ。

 まるで“歩く教科書”のようだった。当時のダルビッシュの存在意義は、刺激を受けた後輩たちの言葉は如実に物語る。

 約1年後にカブスと4年5300万ドル(約81億3300万円)の契約を締結し、メジャーリーガーとなった今永昇太(当時DeNA)は、WBC開幕前夜の取材で「チームを作ってくれた」と言葉を残していた。

「本当に家族のような感じになっています。冗談を言い合ったり、お互いに技術を教え合ったりして高め合ったり、時には弱みも見せたりする。そういう関係性が築けている。自分は本当に宮崎合宿から参加してくれたダルビッシュさんには感謝しています。あの人がいなければ、投手陣がここまで良い心境で大会を迎えられなかったと思います」

 もちろん、宮崎合宿での帯同が実現すれば、3年前と状況は異なる。右肘の故障を抱えるダルビッシュは、あくまで選手としてではなく、「特命コーチ」という立場となる。ゆえに声のかけ方も変わるかもしれない。

 それでも「前回大会の陰のMVP」とも評された名投手の存在が、ふたたび侍ジャパンの合宿を有意義にさせる可能性は大いにあると言えるのではないだろうか。

[文:羽澄凜太郎]

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