FA行使で去就注目の阪神主砲、大山悠輔 残留決断が「三方よし」といわれる理由
そして逃がした巨人にとっても、仮に大山が移籍すれば、ポジションシャッフルの問題が生じていた。一塁手の大山が移籍となれば、今季、主に一塁を守っていた岡本和真が外野に回る可能性も浮上していた。
すでに外野守備の経験もある主砲だが、チームには伸び盛りの若手外野手も多い。今季夏場から存在感を示した浅野翔吾、長打力も魅力の萩尾匡也、55番を背負った秋広優人なども控えるとあって、仮に移籍となれば、若手の活躍機会が狭められることにもつながりかねなかったが、再び育成に主眼が置かれることにもなりそうだ。
最後は今回の決断は大山本人ばかりか、球界にも移籍の在りかたを議論する契機となった。永遠のライバルとされるTG移籍となれば史上初ともなり、大山のFA行使から大きな注目を集め続けた。
一方で阪神ファンの間からも「どんな決断であれ、大山の意思を尊重する」という声も多く、選手個人の権利に配慮するムードも高まった。
過去にはFA移籍した選手に対するブーイングがときに出たときもあったが、現在では助っ人移籍含め、どの球団に行っても頑張ってほしいという応援の声が多数派となりつつある。
今回の大山FA行使は様々な方面から見ても好循環がもたらされる決着に落ち着いた。来年から引き続き、伝統の一戦が盛り上がることは間違いない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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