羽生結弦「現役続行宣言」にメディアが歓喜する理由とは
北京五輪もいよいよ終盤戦。様々な競技で数多くのトップアスリートが躍動し、コロナ禍で心が沈む世界の人々に笑顔と感動を伝えました。
日本選手団の獲得メダル数も過去最多を更新。日の丸を胸に表彰台へと上がる光景に、胸を熱くした方々も多いことでしょう。
しかし、今大会の主役について話が及ぶと、スポーツ新聞のデスクはこう断言するのです。
「メダルには届きませんでしたが、今大会のMVPを挙げるとすれば、羽生結弦一択です。ウチだけじゃなく、他社さんもみんなそうでしょう。右足首を捻挫していながら、果敢に4回転半へと挑戦したその姿に、人々は感動しました。確かにメダルは尊い。しかしメダルの色では表せない『何か』を、羽生は全身で表現してくれたのです」
確かに、フィギュアスケート男子フリーが行われた翌日のスポーツ各紙の一面は、銀メダルに輝いた鍵山優真や銅メダルを手中に収めた宇野昌磨ではなく、4位に終わった羽生が飾りました。五輪において「メダル至上主義」が絶対的なスポーツマスコミにとっては、異例の事態と言っても過言ではありません。
前述のスポーツ新聞デスクはこう証言します。
「羽生には熱心なファンがついており、その報道は即売の部数に直結します。どの新聞のどの記者が一番本質を突いているか、さらにはどのカメラマンがその素晴らしさを捉えているか、とにかく読み込んでいる。野球やサッカーで番記者の優劣がSNS上で議論になることはたまにありますが、カメラマンについては聞いたことがありません(笑)。だから我々も気が抜けない。羽生ファンの読者ニーズに応えようと全力で臨んでいるんです。」