介護の場で発揮される「スポーツの力」介護事業を手掛ける企業がスポーツ業界に参入
日本中が熱狂した東京オリンピックが閉幕。厳しい情勢の中でも戦う選手たちの熱い姿に胸をうたれ、スポーツの持つ力の大きさを改めて感じた。
そんな「スポーツの力」は、今や様々なところで発揮されている。その一つが、「介護」の場だ。
全国で約340施設の介護事業を主軸として、宅食事業、飲食事業、ホテル事業などを展開している、株式会社ユニマット リタイアメント・コミュニティ(以下、ユニマットRC)は、「イマドキシニア」に向けた、介護とスポーツを組み合わせた事業を展開している。
なぜ、それまで介護を主としてい企業が、スポーツ市場参入に至ったのか。そこには、介護事業を手掛けてきたユニマットRCならではの思いが込められていた。
フレイルや認知症の予防・改善で重要な3本柱に関連するのが「スポーツ」
ユニマットRCでは、現在のお客様は、戦前生まれの方が中心。だが、今後は主に 1950 年代生まれの高齢者で、高度経済成長期における豊かな生活のなか、テレビなどの娯楽、スポーツなどが身近な存在となり、個性豊かな価値観をもちながら過ごしてきた世代「イマドキシニア」が主な利用者になる。それを見据え、「イマドキシニア」のための介護サービスの開発は急務であるとの課題意識をもっていたという。
元々、ユニマットRCの介護は、介護サービス本来の目的「自立支援」における利用者(シニア)の「できるを増やす」ことを日々のミッションとしている。自立支援は、単に利用者の心身の状況を整えるだけではなく、利用者を取巻く生活環境、地域社会を暮らしやすいものに整備していくことにより、実現される。利用者のからだ作り、フレイル(要介護になる手前の、「虚弱」の状態)や認知症の予防・改善は、自立支援における最も重要なポイントなのだ。
そのフレイルや認知症の予防・改善で重要な3本柱となるのは、食事・運動・社会参加。この3つに関連するアクテビティは何か。そのカタチの一つとして、ユニマットRCの出したものが、スポーツだった。
「スポーツのチカラを採り入れたら、利用者の『運動』をさらにパワーアップできるのでは?」「アスリートの強さの秘訣を採り入れれば、『食事』も高齢者のからだ作り、フレイル予防に一層役立つものにしていけるのでは?」「シニアの『社会参加』をさらにバックアップできるのでは?」との仮説のもと、「イマドキシニア」プロジェクトの第1弾として、スポーツ事業に参入することを決めたのだ。
スポーツは、高度経済成長期を背景とした豊かな生活・文化背景で、家族レジャー、キャンパスライフを過ごし、スポーツにも親しんでこられた「イマドキシニア」の楽しみ・娯楽といった観点でも、これからの介護サービスにさらに取り入れていくべきコンテンツだと考えているという。