脂質異常症の症状とは? ― 自覚のない“サイレントリスク”に気づくために
3. 脂質異常症を放置したときのリスク
脂質異常症を治療せずに放置すると、動脈硬化が静かに進行し、以下の病気を引き起こすリスクが高まります。
・心筋梗塞や狭心症
・脳梗塞や脳出血
・大動脈瘤や閉塞性動脈硬化症
・慢性腎臓病(CKD)
つまり、脂質異常症自体に症状はなくても、その先に命に関わる病気を招く危険があるのです。
4. なぜ「症状がなくても」検査が必要か
脂質異常症は血液検査で簡単に見つけられます。特に以下に当てはまる方は注意が必要です。
・家族に心筋梗塞・脳梗塞の既往がある
・糖尿病や高血圧がある
・脂肪肝(MASLD)を指摘された
・喫煙習慣がある
・運動不足や肥満がある
5. 症状が出る前にできること
症状が出てからでは遅いため、早期の段階で以下を実践することが大切です。
・定期的な血液検査(LDL・HDL・中性脂肪のチェック)
・生活習慣の改善(食事・運動・体重管理)
・必要に応じた薬物療法(スタチンなど)
“無症状=安心”ではありません。 検査で「リスクを見える化」し、医師と一緒に早めに対応することが重要です。
まとめ
・脂質異常症は初期症状がほとんどない病気。
・放置すると動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる合併症につながる。
・血液検査だけでなく、眼底・ABI・頸動脈エコー・ホルター心電図などの評価も有用。
・池尻大橋せらクリニックでは、脂質異常症を含め生活習慣病全般を横断的に管理し、合併症を未然に防ぐサポートを行っている。
参考文献
1.日本動脈硬化学会. 『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022』
2.日本高血圧学会. 『高血圧治療ガイドライン2025』
3.日本糖尿病学会. 『糖尿病治療ガイド2024-2025』
4.Grundy SM, et al. 2018 AHA/ACC Guideline on the Management of Blood Cholesterol. J Am Coll Cardiol. 2019.
[文:池尻大橋せらクリニック院長 世良 泰]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
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池尻大橋せらクリニック院長・世良 泰(せら やすし)
慶應義塾大学医学部卒。初期研修後、市中病院にて内科、整形外科の診療や地域の運動療法指導などを行う。スポーツ医学の臨床、教育、研究を行いながら、プロスポーツや高校大学、社会人スポーツチームのチームドクターおよび競技団体の医事委員として活動。運動やスポーツ医学を通じて、老若男女多くの人々が健康で豊かな生活が送れるように、診療だけでなくスポーツ医学に関するコンサルティングや施設の医療体制整備など幅広く活動している。






