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元DeNA・林昌範 潜在能力は球界屈指の左腕に「もう一度輝きを取り戻してほしい」

タグ: , , 2018/4/16

直球の質はファームの時から目を見張るものがあった


 みなさん、こんにちは。元DeNAの林昌範です。連載企画11回目の今回は巨人・吉川光夫について書かせて頂きます。

 阪神のドラフト2位左腕・高橋遥人投手が11日の広島戦でプロ初先発初勝利をマークしました。打者の手元でうなるような直球を投げられる投手はなかなかいません。その球質で思い出したのが吉川でした。私が日本ハムに在籍していた09年から3年間共にプレーしましたが、当時から直球の質は群を抜いていました。ただ、ファームでは圧倒的な数字を残しても1軍でなかなか結果を出せない。「こんな才能豊かな投手がなんで1軍に定着できないんだろう」と不思議に思うほどでした。

 多少球が荒れても、腕を振るのが特徴の投手です。ただ、制球が定まらず四球を出すと「結果を出さなければいけない」と力んで自ら崩れてしまう。周囲はもどかしく見えたかもしれません。でも制球が良くなかった僕は気持ちがわかりました。調子が良い時は先頭打者に四球を出しても無失点で抑えればいいと気持ちを切り替えますが、調子が悪い時や結果を出さなければいけないと重圧を感じると、「四球を出したらどうしよう」とベンチの目が気になり腕が振れなくなります。

 心理状況で投球内容がガラリと変わる繊細な世界です。そんな吉川は12年に14勝5敗、防御率1.71で最優秀防御率、パリーグMVPに輝きます。過去5年で6勝しかしていなかったのになぜ覚醒できたのか。私は11年オフにDeNAに移籍しましたが交流戦でグラウンドで再会した際に、「栗山監督に『四球を出しても抑えればいい』と言われたのが大きかったです」と振り返っていました。

 30歳になった今年は野球人生の岐路を迎えています。16年オフに巨人にトレード移籍しましたが、昨年は1勝のみ。それでもやはり潜在能力は球界屈指です。今年2月に春季キャンプでブルペンの投球を見学した際は凄い球を投げていました。他球団のスコアラーも「この球を見れば吉川は凄い投手だよ」とうなるほどでした。今年はマイコラスが抜けて、同じ左腕の田口も本来の力を発揮できていません。吉川は先発ローテーションに定着するチャンスです。「四球を出しても無失点に抑えればいい」ぐらいの気持ちで腕を振ってほしい。同じ左腕でずっと見てきた投手なので、もう一度輝きを取り戻したほしいですね。


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[文/構成:ココカラネクスト編集部 平尾類]

林 昌範(はやし・まさのり)

1983年9月19日、千葉県船橋市生まれの34歳。市立船橋高から01年ドラフト7巡目で巨人入団。06年には自身最多の62試合に登板するなど主に救援で活躍。08年オフにトレードで日本ハムへ移籍した。11年に退団し、12年からDeNAに加入。昨オフに戦力外通告を受けて現役引退した。通算成績は421試合で22勝26敗22セーブ99ホールド、防御率3・49。186センチ、80キロ。左投左打。家族はフリーアナウンサーの京子夫人と1男1女。

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