“汚染のセーヌ川”への秘策は「ヤクルト」 女子トライアスロン参加選手は強行開催に苦言「綺麗になるわけない」【パリ五輪】
選手たちが一斉に飛び込んだセーヌ川は明らかに濁っていた。(C)Getty Images
選手たちは、さまざまな形で“問題”に立ち向かっていた。
現地時間7月31日、パリ五輪の男女トライアスロンが開催された。同競技は、連日続いた雨の影響でスイム会場となるセーヌ川の水質が悪化したため、28、29日のスイムの公式練習が中止になったばかりか、30日に行われる予定だった男子の競技が延期となる緊急事態となっていた。
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フランス政府が総額14億ユーロ(約2400億円)を投じて水質改善を図ってきたセーヌ川。だが、雨天時に大量の生活排水が流れ込むために水質は悪化。早朝に開催強行が決まったレース当日も川は汚れで濁っているように映った。
大会組織委員会は「水質は水準をクリアした」と結論づけたが、参戦した選手たちからは批判の声も上がった。レースを24位でフィニッシュしたベルギー女子代表のヨリアン・フェルメイレンは、母国のテレビ局『VTM』の取材に応じて「大量の水を飲んだ。具合が悪くなるかどうかは明日分かるでしょうね。もちろん、コカ・コーラやスプライトのような味はしなかったわ」と吐露。そして競技を強行した決定を断じた。
「橋の下を泳ぎながら、良くない匂いを嗅いだし、あまり考えたり感じたりするべきではないものも見た。セーヌ川は100年以上も汚れていたわけでしょ? アスリートの安全が最優先されていたとはとうてい思えない。ほんと馬鹿げているわ!」