【エディージャパン検証】“生命線”が機能したアメリカ戦 トンガ戦への修正ポイントは?
チームは一歩、「超速AS ONE」へ近づいたと言えそうだ(C)Getty Images
ラグビー日本代表(世界ランク13位、以下ジャパン)のパシフィックネーションズカップの第2戦はアメリカ代表(同18位)と同国サクラメントで、現地時間9月6日に行われ、47-21でジャパンが勝利した。ジャパンはアメリカに4連勝で、通算成績を12勝1分13敗とした。
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ランク的にも差がある上に、初戦のカナダ戦を落としてモチベーションが上がりにくいチーム状況のアメリカ相手だったこの一戦は、勝利はもちろんのこと、相手を圧倒するような勝ち方が求められる一戦だった。しかし、残念ながら相手を圧倒するまでには至らなかった。
開始早々のファーストスクラムで小林賢太、江良颯、竹内柊平のフロントローが相手スクラムを大きく押し込んだ。これで、FWだけでなくチームの士気が大いに上がり、そのまま相手トライライン前まで攻め込んだのだが、決定機寸前の長いフラットなパスをインターセプトされ、チャンスを逸する。アメリカは日本のトライライン際のアタックの傾向をしっかりと研究してきていたようで、その数分後にも同じようなシュチュエーションでやはりインターセプトを喰らいかけた。
一歩間違えば、トライ寸前でボールを取り返され、逆にトライを奪われるという一番萎える状況が出来してもおかしくなかった。ランキング下位のアメリカですらここまで研究を進めているのだから、上位国ならなおのこと。こうした場面でパスを放る機会が多い李承信や、この日インサイドCTBに入っていたチャーリー・ローレンスにはこのようなケースでのより多いオプションと、相手の読みの裏をかくようなしたたかさを発揮して欲しい。
ラインアウトも今ひとつ安定しなかった。アメリカがほとんで競ってこなかったため、スチールこそ喰らわなかったが、プレッシャーが低い状況下にもかかわらず、球筋が乱れてクリーンキャッチできなかった場面が散見された。スロワーを務めた江良にはさらなる精度向上を望みたい。
キック後のコンテストにも問題を残した。WTBに入った石田吉平、長田智希ともに空中戦で負けて相手にクリーンキャッチを許した場面が一度づつあった。特にアイルランドのようにキックを効果的に多用してくるチームと対戦した場合、攻撃的局面だけでなく守備的局面でもキック後のボールを競る機会が増えると予想されるが、現状では致命的な欠点になりかねない。






