竜を長年支えた祖父江&岡田の引退試合 対照的なスピーチに人柄やプレースタイルが滲む
祖父江はスピーチでもファンを沸かせた(C)産経新聞社
それぞれの形で万感の思いを伝えた。
中日は9月20日のヤクルト戦で3-0と勝利。チームは前日に4位以下が確定。CS進出はならなかったが、リスタートの1勝だ。
この日は祖父江大輔と岡田俊哉の引退試合だった。2人とも長年ドラゴンズを支えてきた投手で、マウンド、そしてセレモニーで最後の勇姿を見せてくれた。
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■岡田は村上を三振に抑える
先発としてまっさらなマウンドに上がった岡田は、村上宗隆と対戦。2ストライクに追い込んでから145キロ、144キロとキレのある速球を投げ込み、見逃し三振を奪った。
まだまだ余力があるように思えるが、血行障害を乗り越え、さらには大腿骨骨折の大ケガから再び1軍の舞台に戻ってきたのだ。それだけで十分だった。マウンドを降りてベンチに帰った後、涙ぐみながらチームメイトらとハグを交わす姿にこちらも心を動かされた。
セレモニーでは真面目で実直な岡田らしく、周りの人たちへの感謝で溢れるスピーチを披露。恩師である高嶋仁・智弁和歌山名誉監督から「プロを目指せ」と背中を押してくれたエピソードも明かした。
高卒ドラフト1位から1軍初登板まで4年かかるも、リリーフに活路を見出してWBC出場や抑えを務めるまでに成長。一方で、前述の通り故障や病気と戦う期間も長かった。それでも「良い時も悪い時も含めて幸せなプロ野球人生」と締められるのなら、十分なのではないか。16年間、本当にお疲れさまでしたと伝えたい。






