ジャッジの“MVP当確視”に異論 米記者が捕手として60発の価値を訴え「今年の野球界でローリー以上に価値のある人物はいない」
ジャッジ(左)と比較される打力を発揮したローリー(右)(C)Getty Images
捕手として歴史に名を刻んだ名手への評価はいかなるものとなるか。アメリカン・リーグのMVP投票の行方が注目を集めている。
現地時間9月28日にメジャーリーグはレギュラーシーズンの全日程が終了。9月30日から始まるポストシーズンの行方と、各個人タイトルがクローズアップされる中、小さくない話題を生んでいるのが、両リーグ最多となる年間60発を放ったカル・ローリー(マリナーズ)がMVPを手に出来るか否かだ。
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無論、受賞に値するだけのパフォーマンスは発揮してきた。メジャー5年目の今季、開幕から本塁打を量産したローリーは、21年にサルバドール・ぺレス(ロイヤルズ)が放った48本を超える捕手史上最多の60発をマーク。打率.247、125打点、110得点、長打率.589、OPS.948と軒並みキャリアハイの数字を叩き出した。
加えてローリーは捕手としても昨季ゴールデングラブ賞を手にした才覚をいかんなく発揮。守備率.996という好成績を収め、多士済々の投手が揃うマリナーズの扇の要として絶大なる存在感を発揮した。
もっとも、ローリーのMVP受賞には強大なライバルも存在する。それはヤンキースの大砲アーロン・ジャッジだ。
今季のジャッジはシーズン途中に右肘を痛めて欠場する期間はあったが、最終的に2年連続となる50号超え(53本塁打)を達成。打率.331、114打点、長打率.688、出塁率.457、OPS1.145と猛打を振るった。また、打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価して選手の貢献度を表す指標『WAR』もローリーに1.1差をつける10.1と記録している。
近年のMVP投票における重要指標となっている『WAR』の差もあり、ジャッジの2年連続の戴冠を予想する声は強まっている。一方で捕手として確かな貢献度を見せ、攻守で鮮烈な輝きを放ったローリーを「評価すべき」という意見が根強いのも事実だ。






