緊急トレード、トクしたのは巨人とソフトバンクどっち? リチャード覚醒で再評価される「編成の眼」
リチャードはキャリアハイの11本塁打をマークした(C)TakamotoTOKUHARA/CoCoKARAnext
10月を迎え、プロ野球ファンの興味はクライマックス・シリーズへと移っていきます。
短期決戦を経て、日本シリーズへの出場権を得られるのは、セ・パのペナント優勝チームなのか。あるいは2位、3位チームによる下克上はあるのか。楽しみは尽きません。
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同時に注目したいのは個人成績です。中でもシーズン中に成立した交換トレードについて、その「収支決算」は気になるところです。ともに人気球団の巨人とソフトバンクによって、5月12日に成立した「秋広優人、大江竜聖」と「リチャード」の電撃トレードは、両チームのファンのみならず、広く野球ファンに衝撃を与えました。
プロ野球の取材歴が長いスポーツ紙のデスクは言います。
「成立直後は、『ソフトバンクが勝ち組』との評判でした。リチャードは未完の大器として高い潜在能力には疑いようがありませんでしたが、一軍で年間を通じて働いた実績がほとんどなかったからです。一方、秋広と大江は一軍での経験も豊富でした。リチャードは6月12日までに18試合に出場しましたが、打率.095、2本塁打、4打点、19三振と低調。同日の敵地・ソフトバンク戦でサインミスを犯し、二軍降格が決まってしまうのです」
一方の秋広はというと、交流戦のDeNA3連戦では3日連続でお立ち台に上がるなど、選手層の厚いソフトバンクでも鮮烈デビュー。巨人ファンが「逃した魚は大きかった」とため息をついたのも、致し方ないことでしょう。
しかし、阿部監督はリチャードの将来性を買い、一軍昇格後、チャンスを与え続けました。その結果、打棒は開花。ソフトバンク・甲斐拓也がマークした育成出身のシーズン最多本塁打「12」へとあと1本に迫る活躍を見せます。打順も岡本和真に続く5番を任され、7月以降はチームに欠かせない存在となっていったのです。






