角田裕毅は「片鱗すら見られない」 混沌化するレッドブルの来季構想で残留させる価値は? 海外識者間で割れる見解
レッドブルでの競争に身を投じている角田(C)Getty Images
英記者が考えた「最適解」は?
F1の名門レッドブルは、来季構想の結論をいまだに明確化させられていない。
当初の予定では、去る10月26日に行われたメキシコGP後に来季のドライバーラインナップを正式発表する予定だった。しかし、エースドライバーのマックス・フェルスタッペンがドライバーズランキングでトップを猛追。首位のランド・ノリスに36ポイント差の3位を迫り、タイトル争いに集中させるために来季ラインナップ発表を延期する意向をレッドブル首脳陣は決断した。
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これによってグループに所属する複数のドライバーに影響が出る形となった。とりわけプレッシャーが高まったのは、2026年の契約未定となっているレッドブルの角田裕毅、そして姉妹チームのレーシング・ブルズに所属するアイザック・ハジャーとリアム・ローソンだ。
レッドブルのローラン・メキース代表は、来季構想について「皆さんが我々に決断を迫っていることは承知しているが、正直なところ、我々は急いでいない」と断言。その上で「トラックの上で誰が最強であるかを証明できるチャンスをできるだけ多く与えるつもりだ」と言及し、メキシコGPの公式予選でフェルスタッペンにコンマ2秒差と迫った角田についても「ユウキは間違いなく前進している」と評価した。
サマーブレイク以降でメキース代表をはじめとする首脳陣から信望を集め始めている角田。実際のところ、絶対的なエースの意向が何よりも優先される名門で彼が生き残れる可能性はどれほどあるのか。
英メディア『The Race』のジャック・ベイヨン記者は、来季構想を予測した特集記事内において「レッドブルには『次にやってくるドライバーで良くなる保証はあるのか?』という疑問が常に存在している」と、近年にセカンドドライバー交代が続いている名門の苦闘ぶりを糾弾。その上で、角田が「最適解である」という見解を記した。
「確かにツノダはここ1年間で十分な実力を発揮できなかった。それは明白だ。しかし、彼はプレシーズンからフルに過ごしてきたわけではない。さらにレッドブルのシートを得るまでに何度も拒否されてきた経緯もあって、同情の念すらある。
もしも、レッドブルがデータ上でツノダを不十分だと結論づけているのであれば、シートから外すのも理解ができる。だが、これまでにレッドブルは一体何人の『早すぎる昇格』を繰り返しては失敗してきのか。しかも、そのたびにセカンドドライバーに無駄な重圧に与えている。だからこそ、ツノダをプレシーズンからしっかりマシンに乗せた上で、ハジャーはプレッシャーの少ない環境で新レギュレーションのマシンを学ばせ、2026シーズン半ばで改めて2人を比較すべきだろう」
角田に対して開幕前からのチャンスを与えるべきという見方を示したベイヨン記者は「遅かれ早かれシートがなくなるローソンに延命措置を与えるよりは、リンドブラッドをレーシング・ブルズで起用して、本当に大物になるかどうかを確かめる方が良い」とも指摘。「レッドブルにはフェルスタッペンとツノダを、そしてレーシング・ブルズにはハジャーとリンドブラッドを乗せる選択が最も理にかなっている」と断言した。






