元鷹ドラ1・武田翔太はなぜ韓国に? 異国での挑戦を決めた契約の舞台裏「スカウトが『投球感覚は死んでいない』と判断した」
韓国プロ野球のSSGへの移籍を発表した武田翔太(C)産経新聞社
新天地に選んだのは、“異国の地”だった。
11月16日、今オフにソフトバンクから戦力外通告を受けていた武田翔太が、KBO(韓国プロ野球)リーグのSSGランダースとの契約を公表した。
【動画】韓国プロ野球のSSGへの移籍を発表した武田翔太の投稿をチェック
現在32歳の武田は故障続き、思うようにチャンスを得られていなかった。21年オフにソフトバンクと4年契約を締結していたが、24年4月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、同年は1軍昇格なし。今季も2軍戦で6試合に登板したが、2年連続で1軍で投げる機会には恵まれなかった。
それでも高卒1年目の12年に8勝1敗、防御率1.07という圧巻の成績を残し、15、16年に2年連続2ケタ勝利を挙げた“実績”を買われた。武田と契約を結んだSSGランダースの球団関係者は、韓国メディア『My Daily』において「スカウト担当は、去る8月中旬にNPBの2軍戦での登板を直接観察して術後の回復に問題がなく、完璧ではなかったが、『彼の投球感覚は死んでいない』と判断した」とコメント。さらに「先発ローテーションを任せられる即戦力性だけでなく、徹底した自己管理と誠実な態度が若い投手陣のメンターともなる」とNPBでの経験がプラス材料になると踏んでの獲得劇であったとしている。
来季からKBOリーグでは、外国人選手の「アジア枠」が導入される。これによって各球団は現在1球団3人までとなっている外国人選手枠に加え、新たに1人の助っ人(アジア野球連盟加盟国地域の選手と、オーストラリア国籍の選手が対象)の登録が可能に。そのため、各球団は日本、オーストラリア、台湾などの有望株獲得に本腰を入れている。
球界のルール変更も武田獲得を後押ししたのは間違いない。多くの球団がアマチュア選手に目を向ける中、NPBで豊富な実績を残した武田ほどの人材は稀有と言える。ただ、最後の力とはなったのは、本人を含む関係者間の強い意志があったからだという。






