神宮最終戦、ヤクルト・小川監督の仰天指令『阿部慎之助、申告敬遠』は是か非か?史上初の最高のリスペクト?
その瞬間、神宮の杜にブーイングが響きました。
ヤクルトと巨人にとって今季のレギュラーシーズン最終戦となった9月28日のナイトゲームでのワンシーンです。1-1の同点で迎えた9回1死二塁、巨人の攻撃。ここで原監督は「代打・阿部」を宣告しました。
ところが…
オレンジ色に染まったレフトスタンドだけでなく、ヤクルトファンも含めた球場全体が興奮のるつぼと化します。すでに今季限りでの現役引退を表明している阿部は前日の東京ドームで「ありがとう慎之助」と銘打たれたメモリアルマッチに臨み、「4番・捕手」でスタメン出場すると、久しぶりのマスク姿を披露。打っては有終のアーチを放ち、笑顔にあふれる「阿部劇場」の主役を演じたからです。
この日、神宮に足を運んだファンは口々に「慎之助、見たいけど、さすがに今夜は出ないかなあ」と噂していました。それが、出てきた。
しかも勝ち越しの絶好機。阿部にとって、神宮は中大時代に東都大学野球リーグで熱戦を繰り広げた思い出の地。すべてお膳立てはそろいました。
ところが-。
この日がラストタクトとなるヤクルトの小川監督がベンチを出ます。
えっ?
マジかよ!?
ブーイングとため息が交錯する中、慎之助はゆっくりと一塁へ歩いたのでした。
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