疑惑の女子フィギュア 選手寿命縮める「闇の育成機関」とは
連日、選手たちの熱戦が繰り広げられた北京五輪もいよいよ幕を閉じる。一方で大きく人々の注目を集めたのは女子フィギュアだった。
若き「絶対女王」のカミラ・ワリエワ(ロシア・オリンピック委員会=15)のドーピングが大会中に発覚。これは昨年12月に行われたロシア選手権で採取された検体から禁止薬物トリメタジンが検出されたことにあった。またこのトリメタジンが他の汚染サンプルの約200倍と報道されたことで彼女の体にかかる負担も心配されている。
ワリエワの出場をめぐって現場は紛糾。本人の聞き取りなどを経て、出場は継続されたが、結果は臨んだ女子フリーでジャンプで度重なるミスが出るなど、精彩を欠き、優勝候補の大本命がまさかの4位に終わった。
さらに大きな注目を集めたのは滑走終了直後のあるシーンだった。明らかに精神的に動揺しているように見えたワリエワに対し、エテリ・トゥトベリゼコーチ(47)が「なぜ、あきらめたの? なぜ、戦いをやめたの? 説明しなさい」と追いうちをかけるように詰問するシーンが大きくクローズアップされたのだ。
さらに同コーチに対してはほかの選手も嫌悪感を示している。象徴的だったのは銀メダルに輝いたトルソワが同氏のハグを拒否。このときにトルソワは「嫌よ!みんな知っているのよ!」と発言。この発言が何を指すのかは明らかになっていないが、今回のワリエワ問題に関する深い闇を感じさせる場面となった。