なぜスピードが出ない“不振”が続くのか? 元実力派F1戦士が断じた角田裕毅の近未来「明らかなミスは見当たらない。だからこそ――」
限りなく厳しい立場に置かれた角田に「できること」とは?
角田の現状が崖っぷちであると見立てるパーマー氏は、「非常に独特なスタイルと、マシンに対する並外れた感覚を持っている」と4連覇をやってのけたフェルスタッペンの異能性を強調。その上で「彼が乗りこなしてきたレッドブルのマシンを限界まで引き出して1周走らせるのは、容易ではない。しかし、ペースを落として運転しやすいバランスを見つけようとすると、本来の強みが損なわれ、アンダーステアが過剰になり、明らかに遅くなる。これが今のツノダの現状だ」と持論を続けている。
「最近のツノダの予選ラップを見ると、明らかなミスは見当たらない。彼はマシンの能力にしがみついているわけでも、特定のコーナーで大幅にタイムをロスしているわけでもない。だからこそ、彼自身もチームも彼のペース不足に困惑しているのだ。
レッドブルに昇格した当初のツノダは強気だった。しかし、スポーツ界で最も厳しい立場での9レースを戦った今の彼は以前の多くのドライバーたちの辿った運命を理解し始めたと思う。彼は自分の運転スタイルがマックスに近く、もっとうまく運転できるだろうと期待していたはずである。だが、結局は判明したのは、最高の状態になったマックスと同じように車を運転できる人は誰もいないということだ」
限りなく厳しい立場に置かれた角田。それでもパーマー氏は「今のツノダにできるのは、気持ちを切り替えて再び走り出すこと、そして今週末のシルバーストーンでリセットを試みることだけだ」と指摘。5年に及ぶF1での経験を活かせば、再起の可能性は残されているとの見解も示した。
現地時間7月4日から始まるイギリスGPは、チームの本拠地でもある英国のシルバーストン・サーキットが舞台となる。それだけに今まで以上に“結果”を求められるであろう角田が、どこまで己の走りを改善させられるかは大いに注目だ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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